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広島市中区の郵便貯金ホールで劇団四季ミュージカル「キャッツ」が、11月24日までロングラン公演を続けている。振り付けを担当した加藤敬二と、猫になって舞台を駆け巡っている2人の俳優の横顔や意気込みを紹介する。 | ||||
(上) 振付家 加藤敬二 (下) 俳優 福井晶一 CATS TOP |
20年 今も新鮮な舞台
世話好き猫 性格似てる
くったくのない笑顔が印象的だ。1983年の東京の初演からずっと、おばさん猫を演じている。出演回数はすでに4000回を超える。 73年から四季の舞台に立ち、「キャッツ」初演時は32歳。もらった役がおばさん猫だった。「最初は『えー?』って戸惑いました。確かに若い方ではなかったですが、セクシーな猫もやりたかった」と笑う。 ネズミやゴキブリの面倒を見るおばさん猫のキャラクターは、自身に似ている。「昔からおっちょこちょいで世話好き。とにかく人のために何かしたい性分なんです」。お母さんのような存在で、俳優仲間を見守る。 20年の間には、数々のハプニングも体験した。突然停電になった公演では、小道具の懐中電灯の明かりで舞台を続行。声を張り上げ、全員で最後まで歌いきった。 「動揺したけれど、最後まで見せてよというお客さんの気持ちと、最後まで見てほしい俳優の思いが一つになったのです」。舞台を放り出さなかった経験が、演劇人としてのプロ意識をさらに高めた。 役づくりで参考にするのは、もちろん猫。野良猫を見かけると、しぐさや性格が気になる。「攻撃的だったり、人間を寄せ付けない雰囲気があって面白い。ちょっとしたしぐさでも取り込んで、猫の神秘さが出せたらいいなと思う」。劇場付近をうろつく猫を意識して観察している。 同じ役をこれだけ多く演じてきても、毎回の舞台が新鮮だという。「お客さんにとっては、一回が『キャッツ』の印象を決める。一回一回が新しい舞台であり、一期一会。だから息を整えて精神を集中しないと舞台に立てない。私の中には飽きやマンネリという言葉は存在しません」 「キャッツ」は、さまざまな猫の姿を通し、人間の生き方を問う。「生きる上では苦悩や挫折があるが、乗り越えることで本当の強さが出てくる。人生に絶望している人も、また頑張ろうと思ってくれる何かが『キャッツ』にはあると思うんです」 公演地を転々とする生活が続く。「どんな環境でもすぐに同化できるので、つらいと思ったことはありません。その点は猫っぽいのかもしれませんね」。休みの日はマッサージや病院に通い、ベテランならではの体調管理も欠かさない。 「これだけ長く演じられる役に出合えたのは幸せ。20年を一区切りとして、また新たな気持ちでやりたいですね」 2003.9.7
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