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広島市中区の郵便貯金ホールで劇団四季ミュージカル「キャッツ」が、11月24日までロングラン公演を続けている。振り付けを担当した加藤敬二と、猫になって舞台を駆け巡っている2人の俳優の横顔や意気込みを紹介する。 | ||||
(上) 振付家 加藤敬二 (中) 俳優 服部良子 CATS TOP |
悔しさバネ 役を追求
硬軟自在に存在感示す
硬派で責任感にあふれるリーダー猫から一転、軟派であまのじゃくなツッパリ猫を広島公演から演じている。「初めのころは役をこなすのが精いっぱい。1カ月たって、やっと周りも見られるようになった」と表情を和らげる。 ミュージカルとの出合いは高校3年の夏。姉に連れられ札幌で「キャッツ」を見た。そこには、打ち込んでいた野球とは異質の心躍る世界があった。「歌と踊りでこんなにも人を楽しませたり、感動させることができるんだ」。驚きや興奮とともに、舞台への興味を覚えた。 卒業後、就職したが、ミュージカルをやりたい気持ちが膨らみ北海道から上京。専門学校で学んだ後の1995年、四季の研究生になった。 予想外に早くスポットライトが当たった。97年の「キャッツ」札幌公演。地元出身ということもあり、23歳で舞台の重要な役割を担うリーダー猫に抜てきされた。だが喜びもつかの間、6週間で役を降ろされた。 「あらゆる面で未熟だったんです。歌や踊りの技術はもちろん、人間としても役に届いていなかった」。期待にこたえられない悔しさと情けなさが交錯したが、後ろ向きには考えなかった。「またいつか必ずチャンスが来る」。雪の中で春を待つ心境だった。 2年後の福岡公演。のどを傷めた俳優に代わり、再びリーダー猫を任された。「今度こそは期待にこたえたい」。別の猫の役をする傍らで、ひそかに続けてきた練習は無駄にはならなかった。 自身にも重なる、男らしく力強い役柄で存在感を示し、今年1月の大阪公演までリーダー猫として舞台に立ち続けた。宣伝ポスターにも登場し、名実ともに「キャッツ」の顔になった。 年初めの大阪公演を終えてから、広島公演が始まる夏まで「ハムレット」で全国を巡演。踊りや歌を離れ、せりふ中心の舞台に挑んできた。 「芝居は、ちょっとした間や駆け引きが面白い。ベテランの演技を見るだけでも勉強になる」。華やかさが前面に出るミュージカルとは違う、舞台の魅力も感じている。 これまで新たな役に挑戦するたびに、演出家の厳しい批評を受けた。その言葉一つ一つを感謝の気持ちで受け止めてきた。 「落胆や悔しさをバネにして自分を見つめ直し、役を追求していく。俳優という仕事は、その繰り返しだと思っています」。今回のツッパリ猫は、役の幅を広げる一つの好機でもある。 2003.9.14
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