広告季報

企画・制作 中国新聞社広告局
 

春らしく彩りいっぱい
斬新なデザイン際立つ

 2008年3月から5月までの中国新聞に掲載された話題広告を紹介。事前審査でエントリーされた20点の候補の中から、選考委員により7点が選ばれた。
 迫力ある写真や斬新なコピーが目を引いた全ページカラーの三越広島店、チェリーゴード、広島国際学院大学が入選。余白を生かしたアーバンコーポレイションやかきのき村の作品もセンスが光った。
 また、サンフレッチェ広島のJ1復帰を願うラッピング広告が選ばれたほか、軽乗用車の魅力を伝えた4ページの「軽CARフェア特集」も読み応えがあり、好評だった。
 「春らしく彩り豊富で、『えっ』と驚くようなインパクトのある作品が多かった。全体的に世相を広告にうまく反映している」と及川選考委員がまとめた。

選考委員
photo審査員 広島市立大学教授
及川久男さん
photo審査員 コピーライター
徳山典子さん
photo審査員 中国新聞
広告紙面モニター

小川ひばりさん
中国新聞社 

掲載日/2008年3月16日 (ラッピング特集)

講評 サンフレッチェ広島のJ1復帰を願うサポーターの思いを背番号で表現。サポーターの背番号12番を一面と終面で折り分け、中央の矢印でJ2からJ1昇格を表したアイデアが秀逸。地元開幕戦を前に、熱い闘志が沸々と伝わってくる。


かきのき村産直市場 

掲載日/2008年5月27日 (半5段カラー)

講評 半5段のスペースに余白を十分に取り、野菜を中央に置くことで視点を1カ所に集めている。温かみのあるキャッチコピーから、野菜を作っている人たちの愛情が伝わってくる。食の安全に対し敏感な時期に、効果的な広告になった。


広島国際学院大学 

掲載日/2008年4月6日 (全ページカラー)

講評 大胆なピンクの地色が目を引くとともに、広島弁を交えたコピーから大学の持つ個性や面白さが感じ取れる。文字や写真の点数を抑え、ゆったりとレイアウトを組むことで訴求力が高まるお手本のような作品。若年層から支持が得られそうなデザインだ。


アーバンコーポレイション 

掲載日/2008年4月25日 (全10段カラー)

講評 思わず「何かな?」と目が留まってしまうユニークなデザイン。カープとサンフレッチェを応援する連合企画の中で、J2チームのホームタウンを四角い箱で積み重ねて表しているところが面白い。広島が一番高く優勝への期待が込められている。


三越広島店 

掲載日/2008年3月9日 (全ページカラー)

講評 落ち着いた色使いや紙面構成が美しく、美術雑誌を見ているようだ。モザイク状に並べられた浜田画伯らの写真に動きがあり、迫力十分。対談記事も読み応えがあり、画伯の人となりがよく分かった。企画展に足を運びたくなる作品に仕上がっている。


チェリーゴード 

掲載日/2008年4月5日 (全ページカラー)

講評 写真、色使い、デザインのすべてが整然としていて、質の高い介護サービスを提供する企業ポリシーが感じられる。介護を受ける人が和服できちんと正装しているので、お年寄りの尊厳を大切にする姿勢が伝わってくる。


軽CARフェア’08

掲載日/2008年5月16日 (4ページカラー特集)

講評 ターゲットを軽自動車のメーン購買層の女性に絞り、チャート式で自分にあった車のタイプが分かる、読者参加型の仕掛けが面白い。環境問題や燃料費の高騰が気になり始めた時期に、維持費の安さとエコをキーワードに軽自動車の魅力をたっぷりとPRしている。協賛ディーラー5社の広告とともに読み応えは十分。


photoクライアント

かきのき村産直市場
店長 小田寿久さん

クローズアップ

 「安心・安全」をシンプルに伝える

 島根県吉賀町柿木村で作った野菜や米を販売するアンテナショップ「かきのき村産直市場」(廿日市市)の半5段カラー広告は、「メイドイン うちの村の おばちゃん おじちゃん。」というキャッチコピーがほのぼのとして印象に残る。産地偽装や残留農薬など食の問題が取りざたされる中で、安心・安全な農作物を提供する同店のPRに注目が集まった。
 余白をたっぷり取ったレイアウトで、中央の小さなサニーレタスの写真も大きさ以上に目を引いた。「サニーレタスは、実際に店で販売しているもの。青々としておいしそうでしょ。伝えたいことはたくさんあるけど、小さなスペースでは多くは語れないので、とにかく新鮮で安全な野菜を販売しているという店のコンセプトが伝わるような構成にした」と話す。
 「柿木村では約30年前から農薬を使わない有機農法を村ぐるみで実践している。店頭に並ぶのは、約150戸の契約農家から仕入れた旬の採れたて野菜で、すべて生産者の顔が分かるものばかり。自信を持って提供しているという思いをキャッチコピーに込めた」。
 客の多くはリピーターで岩国市などの遠方から足を運ぶファンも多いという。「広告掲載後は、私たちの経営姿勢を多くの人に知ってもらえ、常連のお客様にたくさんの反響をいただいた。信頼のある新聞広告を通じ、かきのき村のブランド力をさらに高めたい」

クリエーティブの裏側
photoデザイナー

開き直るぐらいの思い切りが大切

デザイナーとして、広島国際学院大学の広告制作に携わった
広告会社「みづま工房」の中間大介さん。デザインのポイントは?

 ─余白を生かしたデザインが目を引きました。
 当初は学生をモデルに起用した「いかにも大学の広告らしい」レイアウトを考えていたのですが、スタッフミーティングを重ねるなかで、メッセージ性の強いシンプルなデザインにしようと決めました。コピー中心のデザインコンセプトは、来年度の大学案内のパンフレットを提案した際に、採用されたアイデアでもありました。
 ─確かに印象に残るコピーです。
 実際、大学内はすごい登り坂です。本来きつい坂道だけど、どうせ登るなら楽しみながら登ろうと、広島弁を交えてポジティブに表現しました。
 ─大学の広告でピンク色は斬新ですね。
 大学のシンボルカラーは紫紺ですが、若者の目を引くような、勢いのある色がよかった。初めは情熱を表すオレンジにしていたけど、何かもの足りず、ぎりぎりになって「パッション」や「やり場のないエネルギー」を表現するピンクに変更しました。大学側にも気に入っていただき、このピンクが今年のキャンペーンカラーになりました。何かを変えようとする時は、開き直るぐらいの思い切りが大切です。
 ─新聞広告で心掛けることは?
 読者に一日しか見てもらえないことを念頭に制作しています。だからこそ、心に残るものを作らねばと力を込めています。