白球キラリ<1> 故障予防−宮島工 '06/7/6

 ▽体調データ収集 安心感

 両手、両足首に電極を着けて体内の水分、タンパク質などの成分量を測定し、血中のヘモグロビン値も測る。宮島工が昨年から採用した故障の予防法だ。

 「メンバーから外される」。実質二年半の高校野球生活で、けがへの恐怖感は大きい。我慢して練習を続け、ある日突然大きな故障をする。そして長期の離脱…。沖元茂雄監督(40)は「チームや本人にとっても最大の不幸。けがを予期し、ストップをかけるのもわれわれの務め」と強調する。

 検査するのは学校そばの整体所。全七十三選手が週に三度データを取る。投手は毎回マッサージも受ける。日差しが強いこの時期、水分量が少ないと熱射病の兆候。ヘモグロビン値から貧血や慢性疲労の程度が分かる。沖元監督は「具体的な数値が出るので、常にけがへの不安を抱えている指導者の安心感にもつながる」と説明する。

 松浦恭平投手(17)は「監督には言いにくいことも整体所では話せる」と明かす。五月の連休中に練習試合で四連投した。「頑固で責任感が強い。私には体が痛いとは絶対言わないが、肩甲骨に違和感が出ていると報告があった」と監督。練習をセーブさせ、深刻化することはなかった。

 放課後練習では、空腹になると集中力を欠き、けがも起きやすくなる。四月から練習開始二時間後に、全員が卵かけご飯を丼一杯食べるようにした。冬場、走塁練習中にベースを踏み外して二度も右足を傷めた小林孝彰主将(17)は「集中力が増した。変なけがをしなくなった」と喜ぶ。

 今は大きな故障者はいない。「過去最高の状態で夏の大会に臨めそう。手応えありです」と沖元監督。小林主将も「本番がすごく楽しみ」と目を輝かせている。


 第八十八回全国高校野球選手権広島大会が十三日に開幕する。個性派ぞろいの出場97校。科学的にけがの防止に取り組むチームや部員十三人で初出場する分校、隠れた実力校など話題を追った。(森下敬)

【写真説明】故障予防のため、体内の水分量や血中ヘモグロビン値を測定する宮島工の選手たち


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