「打たせて取る」貫く 尾道・北山投手 '06/7/26

 尾道の北山義英投手が敗れた相手は、自分を高めてくれた広島商だった。二十三日(五回途中で降雨中止)はミスをきっかけにリードを許した。二度目の仕切り直しとなったこの日も「力を出させてもらえなかった」。古豪はそつがなかった。

 一回、外野手の失策の間に走者を二、三塁へ進められ、直後に先制打を浴びた。六回は一死満塁から注文通りのゴロを打たせたが、内野手が本塁に悪送球。手痛い3点を失った。失点6で自責点は3。それでも「バックは信頼できます。仕方ないです」と潔かった。

 昨秋、一九八八年夏の甲子園決勝で完封した広島商・上野貴大投手の映像を見た。それまでは力勝負にこだわり自滅を繰り返していたが、「ボール球の使い方と緩急の大切さが分かった」。今大会の試合後は「打たせて取りました」がお決まりのせりふだった。

 野球をやるために大阪から来た。「打撃は良かったが、投手としては期待していなかった」と北須賀俊彰監督。8強投手に成長できた三年間を「ここまでなれるとは思ってなかった。最後も素晴らしい相手。広島へ来てよかった」と振り返ったエース。涙はなかった。(森下敬)

【写真説明】古豪広島商を相手に力投した尾道の北山投手


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