2005年 カープ総括

2005.10.19

黒田博樹投手(30)
29試合登板 15勝12敗 防御率3.17

危機感バネに最多勝

■シュート覚え活路

黒田博樹投手
9年目で初タイトルを獲得した黒田。身上は「常に野球中心に生活し、野球のことを忘れない」(撮影・藤井康正)

 ―念願の初タイトルを獲得した心境は。

 1年間、がむしゃらに投げてきた充実感がある。欲をいえば、もう少し貯金ができれば良かったが、投手にとって多く勝つのは大事なことだと思っている。

 ―7日のヤクルト戦での15勝目はプロ初の中継ぎ勝利。葛藤(かっとう)や迷いはなかったですか。

 これまで先発での勝ち星にこだわっていた。今回、多くの人に相談したが、最後は山本監督に「タイトルは取っておけ」と言われ決断した。監督は何度もタイトルを獲得した人。最多勝を手にする意味は大きいのではと。あの試合は、みんなが僕を勝たせるために一丸となって後押ししてくれた。いいチームだなとあらためて実感した。登板して良かった。

 ―昨オフに、重心を下げ球離れを遅らせるフォームに変えました。不安はありましたか。

 昨季は7勝に終わり、今季も駄目なら信頼を失ってしまうと危機感があった。これまでメンタルトレーニングに取り組んでいたが、今年は技術が伴ってこその精神面だと少し考えを変えた。開幕の巨人戦で勝ち、今年はいけるという手応えもつかんだ。オフから取り組んできたことが間違っていなかった。技術的にはシュートを覚えて、投球の幅が広がったのではないか。

 ―順調な中で、苦しい時期はありましたか。

 実は、最初から最後までつらかった。特に6月に右手首に打球を当て、登録抹消されたとき。復帰後もなかなか勝てず、家でもずっと野球のことばかりを考えていた。不機嫌になったこともあり、家族には苦労をかけてしまった。

 ―来年、さらなる活躍が期待されます。

 僕の理想は、打者がまっすぐと分かっていても空振りするほどの直球を投げること。そうすれば、マウンド上での自信も変わってくるはず。毎年、進化していかなければならない。野村さんの引退試合だった最終戦は、約3万人と満員の客が入ってくれた。やはり、優勝争いの最中にあれほどのファンの前で野球をやりたいと思う。

「主力に聞く」


中.新井貴浩

下.前田智徳

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