広島―阪神12回戦(広島8勝4敗、6時20分、広島、二万)
阪 神100001100―3 カープ10000202×―5
●…追いつ追われつの展開に、広島が決着を付けたのは八回だっ た。同点で迎えたこの回、左前打で出塁した瀬戸を代打正田がバン トで送り一死二塁。この好機に野村、木村が連続適時打し、2点を 勝ち越した。
ここまでの戦局を切り開いたのも野村のバットだった。一回は二 塁打を放った後、前田の左前打で同点の本塁を踏み、六回には逆転 の2ランを右翼席に打ち込んだ。
紀藤は一回、坪井にランニングホーマー。六、七回にもそれぞれ 1点を失ったが、打たれながらも最少失点で切り抜けたのが打線の 粘りを呼んだ。(永山)
【写真説明】八回裏、広島一死二塁、野村が勝ち越しの中前適時打を放つ
広島が競り合いを強いられる羽目になったのは、決めどころを外 し続けたからだった。こんな嫌な流れを断ち切った第一人者はまぎ れもなく野村だが、一方で紀藤の存在も見落とせない。
プレーボール直後にいきなりのランニングホーマーは、プロ野球 史上わずかに三人目というから紀藤自身、「大変」が肝をつぶして 逃げ出すといった心持ちにもなったろう。でも、立ち直りは早かっ た。三回以降は見事なもので、結局は8回を3失点。うち1点は捕 逸が起点と不運だった。
先の中日戦で今季の2勝目を完封で挙げてはいるが、実質の評価 はこの夜の試合とされていた。だから途中のマウンドさばきには外 堀、内堀を埋められた武将にも似て、悲壮感いっぱいの趣だった。 何度かつまずきそうになりながらも、耐え続けた結果が、打線の援 護を呼び込んだといっていい。
今季の紀藤は開幕からにっちもさっちもいかない状態が続いてい た。困難とか試練にぶつかると、すねたり、横道にそれたりする人 もいる中で、「この坂を越えたら」と踏ん張っり続けて来た。「艱 難(かんなん)にまさる教育なし」と昔の人は言うけれど、まさに その通りで、だからこそ笑える日が来た。苦しんだ分、今後が楽に なる。ベンチは夏の陣を迎えて、一層うれしいだろう。(中村忠 雄)
◎セ・リーグ勝敗表(第14節・4日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 (1)横 浜 63 36 27 0 .571 ― (2)中 日 65 36 29 0 .554 1.0 (3)巨 人 69 37 32 0 .536 1.0 (4)広 島 67 33 34 0 .493 3.0 (5)ヤクル 64 28 36 0 .438 3.5 (6)阪 神 64 26 38 0 .406 2.0



