野村が決めた/紀藤3勝、締めは小林幹

'98/7/4

広島―阪神12回戦(広島8勝4敗、6時20分、広島、二万)


阪 神100001100―3
カープ10000202×―5
▽勝 紀藤11試合3勝4敗
▽S 小林幹30試合6勝3敗6S
▽敗 吉田豊9試合1勝2敗
▽本塁打 坪井1号(1)(紀藤)野村8号(2)(弓長)

●…追いつ追われつの展開に、広島が決着を付けたのは八回だっ た。同点で迎えたこの回、左前打で出塁した瀬戸を代打正田がバン トで送り一死二塁。この好機に野村、木村が連続適時打し、2点を 勝ち越した。

ここまでの戦局を切り開いたのも野村のバットだった。一回は二 塁打を放った後、前田の左前打で同点の本塁を踏み、六回には逆転 の2ランを右翼席に打ち込んだ。

紀藤は一回、坪井にランニングホーマー。六、七回にもそれぞれ 1点を失ったが、打たれながらも最少失点で切り抜けたのが打線の 粘りを呼んだ。(永山)

【写真説明】八回裏、広島一死二塁、野村が勝ち越しの中前適時打を放つ

▽援護呼んだ紀藤の粘投

広島が競り合いを強いられる羽目になったのは、決めどころを外 し続けたからだった。こんな嫌な流れを断ち切った第一人者はまぎ れもなく野村だが、一方で紀藤の存在も見落とせない。

プレーボール直後にいきなりのランニングホーマーは、プロ野球 史上わずかに三人目というから紀藤自身、「大変」が肝をつぶして 逃げ出すといった心持ちにもなったろう。でも、立ち直りは早かっ た。三回以降は見事なもので、結局は8回を3失点。うち1点は捕 逸が起点と不運だった。

先の中日戦で今季の2勝目を完封で挙げてはいるが、実質の評価 はこの夜の試合とされていた。だから途中のマウンドさばきには外 堀、内堀を埋められた武将にも似て、悲壮感いっぱいの趣だった。 何度かつまずきそうになりながらも、耐え続けた結果が、打線の援 護を呼び込んだといっていい。

今季の紀藤は開幕からにっちもさっちもいかない状態が続いてい た。困難とか試練にぶつかると、すねたり、横道にそれたりする人 もいる中で、「この坂を越えたら」と踏ん張っり続けて来た。「艱 難(かんなん)にまさる教育なし」と昔の人は言うけれど、まさに その通りで、だからこそ笑える日が来た。苦しんだ分、今後が楽に なる。ベンチは夏の陣を迎えて、一層うれしいだろう。(中村忠 雄)

◎セ・リーグ勝敗表(第14節・4日現在)

試 勝 敗 引  勝
合 数 数 分  率  差
(1)横 浜 63 36 27  0 .571  ―
(2)中 日 65 36 29  0 .554  1.0
(3)巨 人 69 37 32  0 .536  1.0
(4)広 島 67 33 34  0 .493  3.0
(5)ヤクル 64 28 36  0 .438  3.5
(6)阪 神 64 26 38  0 .406  2.0


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