広島―ヤクルト26回戦(ヤクルト15勝11敗、6時21分、広島、一 万四千)
ヤクル010000000―1 カープ00000500×―5
●…広島は先発加藤の力投と見事な集中打でヤクルトに逆転勝ち した。
加藤は二回、アンソニーに先制ソロを浴びたが、失投はその1球 だけ。三回を除いて毎回走者を背負いながらも、攻めの投球とバッ クの好守もあって危なげなく切り抜けた。
前半、拙攻を続けた打線が加藤の好投にこたえたのは六回。一死 から江藤が左翼席へ打ち込んで同点。連打と四球の満塁から捕逸で 勝ち越した。さらに加藤の左犠飛、野村の2ランで伊東をKOし た。
加藤は今季3度目の完投で7勝目。 (時永)
【写真説明】5−1で快勝し、三村監督(左から2人目)に迎えられる広島ナイン
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとはいうけれど、前半の広島はまる で当たらなかった。なにせ、毎回の7安打がすべて空回り。並の投 手ならくたびれかねないが、この夜の加藤は出足から変わるところ がなかった。
マウンドぶりが立派なら、投球の中身もといった具合。打者が 右、左にかかわらず内側を鋭く攻め、外側にも巧みに緩急を配し た。時には内角低めと外角高め、またはその逆のコースへ投げ分け た。これができたら投手も一級品とされる対角線投法である。それ ばかりではない。いつの場合にも挑戦的だった。
六回が一つの例である。二回に甘い変化球を先制のソロとされた アンソニーに、フルカウントから同じ球種で空振りの三振に仕留め たのがそれ。右打者が右方向に狙っていると察知すると、腕の振り を変えるなど知恵をフル回転。これこそプロというべき投球術と闘 争心であった。
この加藤に打線も呼応して中盤には一発で始まり、一発で締める 華やかな攻めで一挙に逆転である。144球を費やした。失投はア ンソニーに喫した本塁打への1球にすぎなかった。かつて江夏豊さ ん(評論家)が現役の時に言ったことがある。「投球術を投球芸術 の域にまで高めたい」。加藤にもこの気概と情熱を持ってもらいた い。円熟の三十三歳である。(中村忠雄)
◎セ・リーグ勝敗表(第24節・12日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 (1)横 浜 111 65 45 1 .591 − (2)中 日 116 64 51 1 .557 3.5 (3)巨 人 120 64 56 0 .533 2.5 (4)ヤクル 114 56 58 0 .491 5.0 (5)広 島 118 53 65 0 .449 5.0 (6)阪 神 117 45 72 0 .385 7.5



