赤ヘル投打に実り豊か 加藤7勝目

'98/9/12

広島―ヤクルト26回戦(ヤクルト15勝11敗、6時21分、広島、一 万四千)


ヤクル010000000―1
カープ00000500×―5
▽勝 加藤19試合7勝4敗  
▽敗 伊東27試合3勝2敗   ▽本塁打 アンソニー10号(1)(加 藤)江藤23号(1)(伊東)野村13号(2)(伊東)

●…広島は先発加藤の力投と見事な集中打でヤクルトに逆転勝ち した。

加藤は二回、アンソニーに先制ソロを浴びたが、失投はその1球 だけ。三回を除いて毎回走者を背負いながらも、攻めの投球とバッ クの好守もあって危なげなく切り抜けた。

前半、拙攻を続けた打線が加藤の好投にこたえたのは六回。一死 から江藤が左翼席へ打ち込んで同点。連打と四球の満塁から捕逸で 勝ち越した。さらに加藤の左犠飛、野村の2ランで伊東をKOし た。

加藤は今季3度目の完投で7勝目。  (時永)

【写真説明】5−1で快勝し、三村監督(左から2人目)に迎えられる広島ナイン

▽攻めの投球これぞプロ

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとはいうけれど、前半の広島はまる で当たらなかった。なにせ、毎回の7安打がすべて空回り。並の投 手ならくたびれかねないが、この夜の加藤は出足から変わるところ がなかった。

マウンドぶりが立派なら、投球の中身もといった具合。打者が 右、左にかかわらず内側を鋭く攻め、外側にも巧みに緩急を配し た。時には内角低めと外角高め、またはその逆のコースへ投げ分け た。これができたら投手も一級品とされる対角線投法である。それ ばかりではない。いつの場合にも挑戦的だった。

六回が一つの例である。二回に甘い変化球を先制のソロとされた アンソニーに、フルカウントから同じ球種で空振りの三振に仕留め たのがそれ。右打者が右方向に狙っていると察知すると、腕の振り を変えるなど知恵をフル回転。これこそプロというべき投球術と闘 争心であった。

この加藤に打線も呼応して中盤には一発で始まり、一発で締める 華やかな攻めで一挙に逆転である。144球を費やした。失投はア ンソニーに喫した本塁打への1球にすぎなかった。かつて江夏豊さ ん(評論家)が現役の時に言ったことがある。「投球術を投球芸術 の域にまで高めたい」。加藤にもこの気概と情熱を持ってもらいた い。円熟の三十三歳である。(中村忠雄)

◎セ・リーグ勝敗表(第24節・12日現在)

試 勝 敗 引  勝   
合 数 数 分  率  差
(1)横 浜 111 65 45  1 .591  −
(2)中 日 116 64 51  1 .557  3.5
(3)巨 人 120 64 56  0 .533  2.5
(4)ヤクル 114 56 58  0 .491  5.0
(5)広 島 118 53 65  0 .449  5.0
(6)阪 神 117 45 72  0 .385  7.5


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