広島―ヤクルト最終戦(ヤクルト16勝11敗、1時31分、広島、一 万二千)
ヤクル020030203―10 カープ300000020―5
●…広島は先発黒田が誤算。直球が走らず、球も高めに浮いた。 3点をもらった直後の二回に2点を失い、五回にはアンソニーに逆 転3ランを浴びた。カウント1―2から、力のない直球を完ぺきに 打たれた。
中継ぎも七回に山田が2点、九回は玉木重がアンソニーに2ラン を浴びるなど踏ん張れなかった。
一回、4安打を集めて3点を先制。いきなりつながった打線も中 だるみが続き、八回の2点だけ。3安打2四球で全打席出塁と気を 吐いた前田を生かせず、終わって見れば15残塁の拙攻だった。(時永)
▽前田、初タイトルへ走る裏での精進
来季の続投が決まった巨人の長嶋監督は、現役時代に天才肌、抜 群の動物的カンを強調されてきた。でも、その裏では人以上の知恵 と神経を使っていたとされる。一つの例がバットを長く持って構え ながら、バックスイングに入った瞬間、それと悟られぬように一握 りも短く持ち替えていた点である。バットを目いっぱい持っている のは誘いであり、駆け引きとされていた。
前田も、落合(日本ハム)ら一流打者から「天才」、あるいは 「日本一の打者」と言われていると聞くが、その裏の精進は並でな い。フォークボール全盛時代とされる中で、それを克服するために 試合前の打撃練習では、投手に速球とのミックスを要求して打ち続 けていると首脳陣は言う。ティーでの打撃も人一倍で、地元での試 合後は結果の善し悪しにかかわらず、ベンチ裏の大鏡を前にチェッ クを欠かさない。
自分で描いた形にこだわりが強い。仮に安打しても、形からはみ 出した結果には納得しない。理詰めにやって、その形が実戦の場で 出た時、初めて自分を信頼できる。そうでないとペナントレースの 長丁場はこなせない。それをだれよりも知っているからである。
打撃10傑の首位を走り続ける前田はこの日、3安打の固め打ち。 初のタイトルに向けて歩む姿は、ファンにとっても楽しみがいっぱ いだ。
▽前田、猛打賞のリーグ記録を更新
○…前田が今季23回目の猛打賞を記録、与那嶺要(元巨人)の持 つリーグ記録を四十六年ぶりに更新した。一回の左翼線二塁打を口 火に三回に中前打、五回は左前打を放ち達成。「3本目は打球がイ レギュラーしてラッキーだった。新記録と言うことだけど、今は数 字のことは考えてない」と、無関心を貫いた。プロ野球記録はイチ ローの持つシーズン26回。
打率を4厘あげて3割3分7厘とし、首位打者の座をキープ。し かし、「残り16試合、最後までけがをしないで全力で頑張りたい」 と、タイトルよりもフル出場へのこだわりを強調した。
【写真説明】【広島―ヤクルト】五回裏、広島一死、前田が三塁強襲安打を放ち、セ・リーグ新の23回目の猛打賞を記録する
◎セ・リーグ勝敗表(第24節終了・13日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 (1)横 浜 112 66 45 1 .595 ― (2)中 日 117 65 51 1 .560 3.5 (3)巨 人 121 64 57 0 .529 3.5 (4)ヤクル 115 57 58 0 .496 4.0 (5)広 島 119 53 66 0 .445 6.0 (6)阪 神 118 45 73 0 .381 7.5



