巨人―広島9回戦(巨人5勝4敗、6時1分、福岡ドーム、四万 八千)
カープ010004000―5 巨 人000000000―0
●…広島は今季初先発の紀藤が2安打無失点の好投をみせ、巨人 に快勝した。
紀藤は伸びのある直球とフォークを軸に巨人打線をほんろう。特 に松井、高橋ら左打者への制球が抜群だった。回を追うごとに調子 も上がり、六回以降はパーフェクト。一度も二塁を踏ませず、今季 2勝目を約十一カ月ぶりの完封勝利で飾った。
打線も二回一死から、金本、浅井の連打で一、二塁とし、ディア スの左前打で先制。その後、巨人の先発桑田を打ちあぐねたが、六 回に相手内野陣のミスにつけこんだ。敵失と浅井、西山の適時内野 安打などで4点を加え、試合を決めた。
守りが乱れ、打線もつながりを欠いた巨人は、借金6。(加納)
【写真説明】【巨人‐広島】今季初先発で巨人打線を2安打1四球に抑えて、昨年6月28日の中日戦以来の完封勝利を飾った紀藤
(右)二回表、広島一死一、二塁、ディアスが桑田から左前に先制打を放つ
チームリーダーで内野のかなめ、野村を欠いた試合。ディアスが 先発で遊撃を守るのは、今季二度目。二塁を守る木村は今季初スタ メン。コンビネーションが大事な二遊間。マウンドは二十五日に一 軍再登録されたばかりで、今季初先発の紀藤。どうなることか。
そんな心配は取り越し苦労だった。ゆったりしたフォームからぐ いぐい投げ込んだ。内野も2つの併殺でもり立てた。久々の登板だ った紀藤には、心強かったに違いない。
6連戦で先発の谷間。ベンチが今季、中抑え役に指名しながらも うひとつだった紀藤を起用したのは、経験と実績を買ったものだろ う。期待にこたえた紀藤は見事の一言。5点を背にした六回以降 は、一人の走者も許さなかった。二塁を踏ませない完封劇。救世主 の登場に万々歳である。
だが、喜んでばかりはいられない。今季は若手先発投手の育成の ため、実績のある加藤を放出した。開幕から黒田、菊地原を先発ロ ーテションで回したが、安定した投球ができず、ファーム落ち。横 山の台頭があったものの、田中らもチャンスを生かせないまま。当 初の構想は、大きく狂っているのが現状だからだ。
紀藤は今季十二人目の先発投手。チーム最年長右腕の好投は若手 のふがいなさを浮き彫りにした。今度は若い投手の完封劇を見たい ものだ。(時永彰治)
黄信号が点灯中の広島投手陣。十六年目の三十四歳が「非常事 態」を救った。昨年六月二十八日の中日戦以来の完封勝利を飾った 紀藤。勝利の瞬間はグラブを二度たたいただけ。意外に控えめだっ た。
昨季八月二十七日のヤクルト戦以来の先発は、序盤からとばし た。清水、松井、そして高橋をフォークで空振り三振。上々の滑り 出しだ。「スピードが出てきて、乗ってきた」と西山。中盤からは 紀藤らしく、直球の真っ向勝負。七回の清水、八回の高橋はいずれ も直球で見逃しの3球三振。最後まで巨人打線を手玉に取った。許 した安打はわずか2。「出来過ぎだよ」。本人も苦笑する、完ぺき な内容だった。
新体制の今季、中継ぎへの転向を命じられた。「投げる以上、勝 ちにこだわっていたが、チームの方針には従うしかない」。開幕か ら9試合に登板したが、防御率8点台と振るわず、十一日には二軍 落ちした。
再昇格したのは、前日の二十五日。その時に達川監督から先発を 言われた。「何があっても代えんから、と言われた。覚悟はできて いた」。先発としての調整はほとんどしていなかったが、ベテラン は男意気でこたえた。
これで、先発ローテション入りも確実となった。「また数日後に はリリーフで出ているかもしれないしね。状況はどうあれ、大事な のは次の登板だから」。救世主は最後まで控えめだった。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第9節・26日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 42 25 17 0 .595 ― 2 阪 神 41 24 17 0 .585 0.5 3 ヤクル 40 19 21 0 .475 4.5 4 広 島 39 18 21 0 .462 0.5 5 横 浜 40 18 22 0 .450 0.5 6 巨 人 38 16 22 0 .421 1.0



