紀藤完封 制球抜群 被安打2

'99/5/26

巨人―広島9回戦(巨人5勝4敗、6時1分、福岡ドーム、四万 八千)


カープ010004000―5
巨 人000000000―0
▽勝 紀藤11試合2勝
▽敗 桑田8試合3勝5敗

●…広島は今季初先発の紀藤が2安打無失点の好投をみせ、巨人 に快勝した。

紀藤は伸びのある直球とフォークを軸に巨人打線をほんろう。特 に松井、高橋ら左打者への制球が抜群だった。回を追うごとに調子 も上がり、六回以降はパーフェクト。一度も二塁を踏ませず、今季 2勝目を約十一カ月ぶりの完封勝利で飾った。

打線も二回一死から、金本、浅井の連打で一、二塁とし、ディア スの左前打で先制。その後、巨人の先発桑田を打ちあぐねたが、六 回に相手内野陣のミスにつけこんだ。敵失と浅井、西山の適時内野 安打などで4点を加え、試合を決めた。

守りが乱れ、打線もつながりを欠いた巨人は、借金6。(加納)

【写真説明】【巨人‐広島】今季初先発で巨人打線を2安打1四球に抑えて、昨年6月28日の中日戦以来の完封勝利を飾った紀藤
(右)二回表、広島一死一、二塁、ディアスが桑田から左前に先制打を放つ

▽球炎 今度は若手投手の番

チームリーダーで内野のかなめ、野村を欠いた試合。ディアスが 先発で遊撃を守るのは、今季二度目。二塁を守る木村は今季初スタ メン。コンビネーションが大事な二遊間。マウンドは二十五日に一 軍再登録されたばかりで、今季初先発の紀藤。どうなることか。

そんな心配は取り越し苦労だった。ゆったりしたフォームからぐ いぐい投げ込んだ。内野も2つの併殺でもり立てた。久々の登板だ った紀藤には、心強かったに違いない。

6連戦で先発の谷間。ベンチが今季、中抑え役に指名しながらも うひとつだった紀藤を起用したのは、経験と実績を買ったものだろ う。期待にこたえた紀藤は見事の一言。5点を背にした六回以降 は、一人の走者も許さなかった。二塁を踏ませない完封劇。救世主 の登場に万々歳である。

だが、喜んでばかりはいられない。今季は若手先発投手の育成の ため、実績のある加藤を放出した。開幕から黒田、菊地原を先発ロ ーテションで回したが、安定した投球ができず、ファーム落ち。横 山の台頭があったものの、田中らもチャンスを生かせないまま。当 初の構想は、大きく狂っているのが現状だからだ。

紀藤は今季十二人目の先発投手。チーム最年長右腕の好投は若手 のふがいなさを浮き彫りにした。今度は若い投手の完封劇を見たい ものだ。(時永彰治)

▽最年長34歳「非常事態」救う

黄信号が点灯中の広島投手陣。十六年目の三十四歳が「非常事 態」を救った。昨年六月二十八日の中日戦以来の完封勝利を飾った 紀藤。勝利の瞬間はグラブを二度たたいただけ。意外に控えめだっ た。

昨季八月二十七日のヤクルト戦以来の先発は、序盤からとばし た。清水、松井、そして高橋をフォークで空振り三振。上々の滑り 出しだ。「スピードが出てきて、乗ってきた」と西山。中盤からは 紀藤らしく、直球の真っ向勝負。七回の清水、八回の高橋はいずれ も直球で見逃しの3球三振。最後まで巨人打線を手玉に取った。許 した安打はわずか2。「出来過ぎだよ」。本人も苦笑する、完ぺき な内容だった。

新体制の今季、中継ぎへの転向を命じられた。「投げる以上、勝 ちにこだわっていたが、チームの方針には従うしかない」。開幕か ら9試合に登板したが、防御率8点台と振るわず、十一日には二軍 落ちした。

再昇格したのは、前日の二十五日。その時に達川監督から先発を 言われた。「何があっても代えんから、と言われた。覚悟はできて いた」。先発としての調整はほとんどしていなかったが、ベテラン は男意気でこたえた。

これで、先発ローテション入りも確実となった。「また数日後に はリリーフで出ているかもしれないしね。状況はどうあれ、大事な のは次の登板だから」。救世主は最後まで控えめだった。(下手)

◎セ・リーグ勝敗表(第9節・26日現在)

試 勝 敗 引  勝   
合 数 数 分  率  差
1 中 日 42 25 17  0 .595  ―
2 阪 神 41 24 17  0 .585 0.5
3 ヤクル 40 19 21  0 .475 4.5
4 広 島 39 18 21  0 .462 0.5
5 横 浜 40 18 22  0 .450 0.5
6 巨 人 38 16 22  0 .421 1.0


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