赤ヘル 5発16安打 ハマ砕く

'99/5/30

広島―横浜10回戦(5勝5敗、1時31分、広島、一万七千)


横 浜100100700―9
カープ40002024×―12
▽勝 玉木重15試合2勝
▽S 沢崎4試合1勝1敗1S
▽敗 島田17試合1敗
▽本塁打 前田5号A(横山)ポゾ6号@(ミンチー)江藤9号@ (横山)10号@(島田)ローズ14号A(高橋建)金本8号@(島 田)緒方12号@(島田)

●…両チーム合わせて7本塁打が飛び交った乱打戦は、今季最多 の16安打、12点を記録した広島が制した。

主導権を握っていた広島が乱れたのは七回。守りのミスも絡み、 先発ミンチー、救援の高橋建がローズの2ランなど5長短打を浴び て7失点。4点のリードを一気に吐き出し、3点を追う苦しい展開 となったものの、打線が驚異的な粘り腰を見せた。

その裏、江藤、金本の連続本塁打で1点差。八回には先頭緒方が 右へ打ち込んで同点。木村の二塁打などで得た二死二、三塁から、 町田の2点適時打など3連打で計4点を奪って試合を決めた。玉木 重が2勝目。九回を三人で抑えた沢崎は、プロ初セーブ。

横浜は投手陣が踏ん張りを欠いた。(時永)

【写真説明】【広島−横浜】八回裏、広島二死、二、三塁、町田が乱打戦に決着を付ける勝ち越しの左前2点適時打を放つ

▽球炎 ベンチと一体 逆転呼ぶ

何ともすさまじい戦いだった。これを制した広島は見事と言うよ りない。正直、七回に一挙7点を奪われた際には、ファンもならく の底にけ落とされたような思いではなかったか。打たれたばかりで はなかった。中に判断ミスあり、失策あり、さらには捕逸もといっ た具合で、内容も極めて悪かったからである。

優性から一気に劣性への転落に歯止めとなったのは、大量失点の 直後に出た江藤、金本の連続本塁打である。点を取った直後は、間 違っても点をやるなとされる。相手側に勢いを盛り返される恐れが あるからだ。2発で活気を呼び戻した広島は、実に16長短打の12点 と素晴らしい破壊力を見せた。

その引き金は、出足の攻めにあった。相手の横山は二年ぶりの先 発だった。主軸投手でも初回は不安を抱えているとされるから、い っそうだったろう。ベンチ、選手ともその点を十分にわきまえてい た。緒方四球の後に送りバントの策は、横山の心理を背後から揺さ ぶる狙いだったと思う。これが前田の2ランとなって実ったばかり ではない。直後の江藤の二盗も見落とせない。これが以後の四球と 連打の呼び水となった。

攻撃の場合、いかに勢いをつけるかが重要であるが、それをベン チと選手が一体となって、いきなり築いた。逆転劇の根がそこにあ ったことは、紛れもない。(中村忠雄)

<インさいどアウト>破壊力「マシンガン」に負けぬ

赤ヘル打線の底力を、まざまざと見せつけたゲームだった。七、 八回で3本塁打を含む7安打、6得点。濃厚だった「敗色」は、鮮 やかな「逆転劇」へと塗り替わった。

七回表、まさかの7失点で6―9。沈滞ムードのその裏、江藤が 逆転への口火を切った。「(本塁打を)狙わず、塁に出るつもりだ った」という一打は、左翼席へ飛び込むこの日2本目のアーチ。金 本も中越えソロで続く。この時点で「予感」は漂い始めた。

そして八回。この3連戦で無安打だった緒方が、島田の初球を右 翼席へと運ぶ。ついに同点。さらに二死二、三塁で、町田が三遊間 を抜く勝ち越しタイムリーを放つ。「一人でも走者を返したかっ た。本当にうれしい」。クールな男が思わず塁上で手をたたいた。

中盤に先発がつかまり、リリーフ陣も崩れるという今季の「負け パターン」をくつがえしての勝利。「だれの本塁打が効いたという んじゃない。1点1点がすべて効果的だった」。達川監督の表情も 緩んだ。

ヒーロー町田も胸を張って言った。「投手陣が打たれた時に頑張 るのが僕たちの役目だよ」。決してきれいではない、だが「広島ら しい勝ち方」で五月の勝ち越しを決めた。六月反攻への期待が、大 きく膨らんできた。(加納)

◎セ・リーグ勝敗表(第9節終了・30日現在)

試 勝 敗 引   勝   
合 数 数 分   率  差
1 中 日 45 27 18  0 .600  ―
2 阪 神 44 24 20  0 .545 2.5
3 ヤクル 43 21 22  0 .488 2.5
3 広 島 43 21 22  0 .488 0.0
5 巨 人 41 18 23  0 .439 2.0
6 横 浜 44 19 25  0 .432 0.5


MenuNextLast