広島―横浜10回戦(5勝5敗、1時31分、広島、一万七千)
横 浜100100700―9 カープ40002024×―12
●…両チーム合わせて7本塁打が飛び交った乱打戦は、今季最多 の16安打、12点を記録した広島が制した。
主導権を握っていた広島が乱れたのは七回。守りのミスも絡み、 先発ミンチー、救援の高橋建がローズの2ランなど5長短打を浴び て7失点。4点のリードを一気に吐き出し、3点を追う苦しい展開 となったものの、打線が驚異的な粘り腰を見せた。
その裏、江藤、金本の連続本塁打で1点差。八回には先頭緒方が 右へ打ち込んで同点。木村の二塁打などで得た二死二、三塁から、 町田の2点適時打など3連打で計4点を奪って試合を決めた。玉木 重が2勝目。九回を三人で抑えた沢崎は、プロ初セーブ。
横浜は投手陣が踏ん張りを欠いた。(時永)
【写真説明】【広島−横浜】八回裏、広島二死、二、三塁、町田が乱打戦に決着を付ける勝ち越しの左前2点適時打を放つ
何ともすさまじい戦いだった。これを制した広島は見事と言うよ りない。正直、七回に一挙7点を奪われた際には、ファンもならく の底にけ落とされたような思いではなかったか。打たれたばかりで はなかった。中に判断ミスあり、失策あり、さらには捕逸もといっ た具合で、内容も極めて悪かったからである。
優性から一気に劣性への転落に歯止めとなったのは、大量失点の 直後に出た江藤、金本の連続本塁打である。点を取った直後は、間 違っても点をやるなとされる。相手側に勢いを盛り返される恐れが あるからだ。2発で活気を呼び戻した広島は、実に16長短打の12点 と素晴らしい破壊力を見せた。
その引き金は、出足の攻めにあった。相手の横山は二年ぶりの先 発だった。主軸投手でも初回は不安を抱えているとされるから、い っそうだったろう。ベンチ、選手ともその点を十分にわきまえてい た。緒方四球の後に送りバントの策は、横山の心理を背後から揺さ ぶる狙いだったと思う。これが前田の2ランとなって実ったばかり ではない。直後の江藤の二盗も見落とせない。これが以後の四球と 連打の呼び水となった。
攻撃の場合、いかに勢いをつけるかが重要であるが、それをベン チと選手が一体となって、いきなり築いた。逆転劇の根がそこにあ ったことは、紛れもない。(中村忠雄)
赤ヘル打線の底力を、まざまざと見せつけたゲームだった。七、 八回で3本塁打を含む7安打、6得点。濃厚だった「敗色」は、鮮 やかな「逆転劇」へと塗り替わった。
七回表、まさかの7失点で6―9。沈滞ムードのその裏、江藤が 逆転への口火を切った。「(本塁打を)狙わず、塁に出るつもりだ った」という一打は、左翼席へ飛び込むこの日2本目のアーチ。金 本も中越えソロで続く。この時点で「予感」は漂い始めた。
そして八回。この3連戦で無安打だった緒方が、島田の初球を右 翼席へと運ぶ。ついに同点。さらに二死二、三塁で、町田が三遊間 を抜く勝ち越しタイムリーを放つ。「一人でも走者を返したかっ た。本当にうれしい」。クールな男が思わず塁上で手をたたいた。
中盤に先発がつかまり、リリーフ陣も崩れるという今季の「負け パターン」をくつがえしての勝利。「だれの本塁打が効いたという んじゃない。1点1点がすべて効果的だった」。達川監督の表情も 緩んだ。
ヒーロー町田も胸を張って言った。「投手陣が打たれた時に頑張 るのが僕たちの役目だよ」。決してきれいではない、だが「広島ら しい勝ち方」で五月の勝ち越しを決めた。六月反攻への期待が、大 きく膨らんできた。(加納)
◎セ・リーグ勝敗表(第9節終了・30日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 45 27 18 0 .600 ― 2 阪 神 44 24 20 0 .545 2.5 3 ヤクル 43 21 22 0 .488 2.5 3 広 島 43 21 22 0 .488 0.0 5 巨 人 41 18 23 0 .439 2.0 6 横 浜 44 19 25 0 .432 0.5



