広島―ヤクルト8回戦(広島5勝3敗、6時1分、仙台、二万三 千)
ヤクルト000000000―0 カープ 00020101×―4
●…広島が今季五度目の3連勝で、四月二十五日以来の貯金1とし た。
序盤は投手戦となった。均衡を破ったのは広島。四回一死一塁、 江藤の左中間を破る二塁打で、前田が一挙に生還した。さらに一、 三塁から金本の二ゴロの間に1点を加えた。六回には前田の右前適 時打、八回にも前田の適時二塁打と小刻みに加点し、勝負を決め た。3安打2打点の前田の勝負強さが光った。
先発の紀藤は8安打を打たれたが、粘って要所を締めた。球の切 れ、制球ともに申し分なく、11奪三振で無四球。2試合連続完封で 3勝目を挙げた。
ヤクルトは得点機に決定打が出ず、高木の好投に報えなかった。(下手)
【写真説明】ヤクルト打線から11三振を奪い、無四球で2試合連続の完封勝利を飾った紀藤(左) 四回裏、広島一死一塁、江藤の左中間二塁打で一塁走者前田が好走し、先制のホームイン。捕手は古田
赤ヘルが強いぞ。紀藤が2試合連続完封勝利。開幕以来、不動の 四番打者の江藤が先制適時二塁打。投打の軸がきっちり働いた会心 の勝利だ。
何より、見逃せないのが四回に挙げた先制点の中身である。左中 間を破った江藤の二塁打をタイムリーにすり替えた一塁走者・前田 の走塁と三塁・正田コーチの指示。陰のMVPといってもいい。前 田はよく走った。スピードを緩めず、二塁、三塁を回って本塁を陥 れた。正田コーチもちゅうちょなく、手を回した。
背景には三回までの展開にあった。ヤクルトの左腕高木に無安 打。しかも、投球のテンポがよく、外野に1本も打球が飛ばなかっ た。紀藤との投げ合い。どうしても先取点がほしい場面だった。そ れでも、走者はこれまで古傷のある右足の状態がもう一つの前田。 一歩間違えば、無謀な指示と指摘されかねなかった。
「前田がホームに帰る気持ちで走って来ていたからね」とは正田 コーチ。その言葉には確かな裏打ちがあった。五月三十日の山形で の移動日練習。主力が休んだ中、前田は二十五分間もの特打をこな した。体調が上向いてきているのを、しっかり把握していたのに違 いない。
前田だけではない。ナイン一人ひとりに、次の塁を狙う姿勢が見
える。赤ヘル野球が、着実に芽吹いているのは頼もしい。(時永彰
治)
<インさいどアウト>リズム復活 気持ち弾む/紀藤
完封ショーの主役は、またも紀藤だった。一週間前に博多で、巨 人を2安打に封じ、今度は杜(もり)の都に舞台を移して、ヤクル トをシャットアウト。十六年目で初の2試合連続完封。「今日が駄 目だと、この前の(好投)が意味なくなるので、何としても勝ちた かった」。流れる汗をぬぐいながら、声を弾ませた。
「調子はもうひとつだった」という。その分、丁寧に投げた。ス ライダーを軸に組み立て、直球とフォークを決め球に使った。圧巻 は一回二死一、二塁で前夜、2本塁打のペタジーニを迎えた場面。 ボールになるフォークを見逃され、スライダーをファウルされて2 ―3。最後は外角いっぱいの直球で、見逃しの三振に仕留めて波に 乗った。
安打は8本許したが、7本は二死から。11三振を奪い、無四球。 瀬戸が「コントロールがよくて楽だった」と言うように、神経の行 き届いた128球だった。
今季は中継ぎでスタートしたが、結果を残せず、五月十一日に登 録抹消された。忘れかけていた投球のタイミングやリズムを思い出 すことに専念。努力は連続完封として実った。大野コーチは「投げ 急がず、テンポよくなった。気持ちも充実している」と喜んだ。
五年前には16勝を挙げたが、ここ二年間は計4勝。エース復活を 印象づけ「安心しました」。自信を回復して、ほっとした表情をみ せた。(天野)
◎セ・リーグ勝敗表(第10節・2日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 47 27 20 0 .574 ― 2 阪 神 46 25 21 0 .543 1.5 3 広 島 45 23 22 0 .511 1.5 4 ヤクル 45 21 24 0 .467 2.0 5 巨 人 43 20 23 0 .465 0.0 6 横 浜 46 20 26 0 .435 1.5



