紀藤、連続完封 広島貯金1つ

'99/6/2

広島―ヤクルト8回戦(広島5勝3敗、6時1分、仙台、二万三 千)


ヤクルト000000000―0 
カープ 00020101×―4 
▽勝 紀藤12試合3勝
▽敗 高木8試合4勝2敗

●…広島が今季五度目の3連勝で、四月二十五日以来の貯金1とし た。

序盤は投手戦となった。均衡を破ったのは広島。四回一死一塁、 江藤の左中間を破る二塁打で、前田が一挙に生還した。さらに一、 三塁から金本の二ゴロの間に1点を加えた。六回には前田の右前適 時打、八回にも前田の適時二塁打と小刻みに加点し、勝負を決め た。3安打2打点の前田の勝負強さが光った。

先発の紀藤は8安打を打たれたが、粘って要所を締めた。球の切 れ、制球ともに申し分なく、11奪三振で無四球。2試合連続完封で 3勝目を挙げた。

ヤクルトは得点機に決定打が出ず、高木の好投に報えなかった。(下手)

【写真説明】ヤクルト打線から11三振を奪い、無四球で2試合連続の完封勝利を飾った紀藤(左) 四回裏、広島一死一塁、江藤の左中間二塁打で一塁走者前田が好走し、先制のホームイン。捕手は古田

▽球炎 頼もしい「次」狙う姿勢

赤ヘルが強いぞ。紀藤が2試合連続完封勝利。開幕以来、不動の 四番打者の江藤が先制適時二塁打。投打の軸がきっちり働いた会心 の勝利だ。

何より、見逃せないのが四回に挙げた先制点の中身である。左中 間を破った江藤の二塁打をタイムリーにすり替えた一塁走者・前田 の走塁と三塁・正田コーチの指示。陰のMVPといってもいい。前 田はよく走った。スピードを緩めず、二塁、三塁を回って本塁を陥 れた。正田コーチもちゅうちょなく、手を回した。

背景には三回までの展開にあった。ヤクルトの左腕高木に無安 打。しかも、投球のテンポがよく、外野に1本も打球が飛ばなかっ た。紀藤との投げ合い。どうしても先取点がほしい場面だった。そ れでも、走者はこれまで古傷のある右足の状態がもう一つの前田。 一歩間違えば、無謀な指示と指摘されかねなかった。

「前田がホームに帰る気持ちで走って来ていたからね」とは正田 コーチ。その言葉には確かな裏打ちがあった。五月三十日の山形で の移動日練習。主力が休んだ中、前田は二十五分間もの特打をこな した。体調が上向いてきているのを、しっかり把握していたのに違 いない。

前田だけではない。ナイン一人ひとりに、次の塁を狙う姿勢が見 える。赤ヘル野球が、着実に芽吹いているのは頼もしい。(時永彰 治)

<インさいどアウト>リズム復活 気持ち弾む/紀藤

完封ショーの主役は、またも紀藤だった。一週間前に博多で、巨 人を2安打に封じ、今度は杜(もり)の都に舞台を移して、ヤクル トをシャットアウト。十六年目で初の2試合連続完封。「今日が駄 目だと、この前の(好投)が意味なくなるので、何としても勝ちた かった」。流れる汗をぬぐいながら、声を弾ませた。

「調子はもうひとつだった」という。その分、丁寧に投げた。ス ライダーを軸に組み立て、直球とフォークを決め球に使った。圧巻 は一回二死一、二塁で前夜、2本塁打のペタジーニを迎えた場面。 ボールになるフォークを見逃され、スライダーをファウルされて2 ―3。最後は外角いっぱいの直球で、見逃しの三振に仕留めて波に 乗った。

安打は8本許したが、7本は二死から。11三振を奪い、無四球。 瀬戸が「コントロールがよくて楽だった」と言うように、神経の行 き届いた128球だった。

今季は中継ぎでスタートしたが、結果を残せず、五月十一日に登 録抹消された。忘れかけていた投球のタイミングやリズムを思い出 すことに専念。努力は連続完封として実った。大野コーチは「投げ 急がず、テンポよくなった。気持ちも充実している」と喜んだ。

五年前には16勝を挙げたが、ここ二年間は計4勝。エース復活を 印象づけ「安心しました」。自信を回復して、ほっとした表情をみ せた。(天野)

◎セ・リーグ勝敗表(第10節・2日現在)

試 勝 敗 引  勝   
合 数 数 分  率  差
1 中 日 47 27 20  0 .574  ―
2 阪 神 46 25 21  0 .543  1.5
3 広 島 45 23 22  0 .511  1.5
4 ヤクル 45 21 24  0 .467  2.0
5 巨 人 43 20 23  0 .465  0.0
6 横 浜 46 20 26  0 .435  1.5


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