中日―広島11回戦(広島7勝4敗、6時、浜松、一万七千)
カープ010410002―8 中 日021130000―7
●…広島は土壇場での逆転で中日を下した。今季初めて貯金「 2」とし、2位に浮上した。
6―7の九回、二死から四球で出た浅井を一塁に置き、緒方の右 越え三塁打をで同点。続く木村が三塁強襲の内野安打を放って逆転 に成功すると、その裏を沢崎が締めた。
広島は二回に先制、四回には新井の1号3ランなどで主導権を握 ったが、先発ミンチーが精彩を欠いて接戦となった。五回には二番 手の長谷川が4長短打で3点を失い、逆転を許した。打線も六回以 降は1安打に封じられていたが、長谷川の後を受けた小林敦、小林 幹が好投して、流れを引き戻した。
中日は抑えのエース宣の不調が誤算だった。(加納)
【写真説明】四回裏、広島無死一、三塁、新井が中越えにプロ入り初アーチを放つ
中日ベンチは宣を投入した時点で、勝利のシナリオを描いていた はずである。連続の三振でたちまち二死となれば、思いはいっそう だったろう。ここからの逆転劇は、まさに「戦いの勝利は最後の五 分間にあり」(ナポレオン)。
この夜も打線は序盤から弾みがあった。町田に続いて江藤も欠く というハンディを背負いながら、先発の左腕野口をものともしなか った。前半で6点である。野口の状態が良かっただけに値打ちであ った。中日の打線が沈んでいる現在を考えると、この時点で流れが 一方的になっていてもよかった。思うようにいかなかった理由は、 四回途中で早々と散った先発ミンチーである。
みじめな結果の根はゴメスとの相性の悪さ、それだろう。昨季は 打率4割1分7厘で、5本塁打の11打点と手ひどい目にあってい る。今季も前日まで4打数3安打で、この夜はゴメスを起点にリズ ムを壊した。二回の無死から右前打を喫すると、カーブの球道が狂 いだし、持ち前の緩急が薄れた。揚げ句は投手の野口に2点適時打 される始末。三回には二死から四球を与えた直後に連打で失点して いる。
ミンチーが投手陣の軸としての信頼を得るには、ゴメスのような
存在を消しておく必要がある。投手陣には厳しい夏の陣を控えてい
るだけに、いっそうである。(中村忠雄)
<インさいどアウト>1球集中サブ返上 九回二死 木村が逆転打
だれが、こんなストーリーを予想しただろうか。九回二死からの 逆転劇を。一塁ベース上でスポットライトを浴びていた、主人公の 「キムタク」こと木村は、泥だらけだった。
九回二死一塁、もう一人の主人公、緒方が起死回生の同点三塁 打。普段は助演役の木村は「セーフティーバントも考えた」。だが 迷いはなかった。「初球から思い切っていこう」。
外角低めの直球を思い切りたたいた。痛烈な打球は三塁ゴメス のグラブをはじいた。木村は一塁へ気迫のヘッドスライディング 。起き上がった時は、ベンチ、スタンドの大歓声に包まれてい た。
野村の負傷による布陣の変更で、五月二十六日から10試合、「二 番、二塁」を務める。その間37打数12安打、打率3割2分4厘。さ らに5犠打と地味ながら、役割を果たしている。「いや、僕はまだ 控えだと思っている。1球、1打席に集中しているだけ」。目立た ないが、ひたむきに取り組む、木村らしい言葉である。
五月十一日の巨人戦でも槙原からサヨナラ安打。抜群の勝負強さ を誇る。だが、自信や手ごたえには「感じる余裕はない。毎日、必 死でやっている」。そんな味のある「フォア・ザ・チーム」の男。 もうスーパーサブと呼ばない。立派な主役である。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第10節終了・6日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 50 28 22 0 .560 ― 2 広 島 48 25 23 0 .521 2.0 3 阪 神 50 26 24 0 .520 0.0 4 ヤクル 49 24 25 0 .490 1.5 5 横 浜 50 23 27 0 .460 1.5 6 巨 人 47 21 26 0 .447 0.5



