広島―阪神12回戦(阪神8勝4敗、6時21分、広島、一万九千)
阪 神000010100―2 カープ30000000X―3
●…広島は一回に奪ったリードを小刻みな投手リレーで守り切っ た。阪神戦の連敗を6で止め、再び貯金を「1」とした。
広島の得点は一回だけ。四球と野村の二塁打で得た無死二、三塁 から、前田の右前2点適時打で先制。二死後、町田が左翼席上段に 特大の5号ソロを放ち、計3点を先行した。
先発の紀藤が一回に危険球で退場したものの、後を継いだ5投手 が阪神の反撃を2点に抑えた。三回から4イニングを投げた玉木重 が3勝目、九回を締めた沢崎が5試合連続の5セーブ目。3―2の 七回一死満塁に今季初登板し、ピンチをしのいだ遠藤の好投も光っ た。
阪神は先発井川の乱調が誤算。10安打、8四死球ながら14残塁の 拙攻も響いた。(加納)
【写真説明】七回表、一死満塁のピンチで今季初登板し、無失点で切り抜けた遠藤=上 一回裏、広島二死、左翼席上段に3−0とリードする5号ソロを放ち、スライリーに迎えられる町田
波乱の幕開けだった。一回、先発紀藤が危険球による退場。対阪 神6連敗中の広島が、連敗ストッパーとして満を持して登板させた 右腕。ある程度、試合を計算しての起用に違いない。その胸算用が いきなり崩壊した。しかし、ピンチをチャンスに変えるのだから広 島ベンチはすごい。
何しろ、大胆としか言いようのない継投だった。二回、3連続四 球で無死満塁のピンチを招いた山田喜を続投させた。結果は三振と 併殺。三回から投入した玉木重は4イニングのロングリリーフで、 結果は1失点。七回は連投となる新人の小山田を起用。1点を失 い、一死満塁で送り出したのが、この日山内と入れ替えで一軍に上 げたばかりの遠藤。結果は併殺。
ベンチはよく我慢したものだ。実績のある沢崎、小林幹を温存し て、ほとんど実績のない若手の投入。投手陣にとって、これからの 厳しい夏場をにらんでのことだろう。
前夜は山内を中継ぎに起用。続投させて試合を落としたばかり。 山内はいない。この夜は「若手育成の名を借りて、逃げ道、言い訳 を考えての選手起用」。そんな指摘を受けるリスクを承知のうえで のことだったと思う。最後は、真打ちの沢崎で逃げ切った。
結果オーライ。しかし、ベンチが勝負してもぎとった「1勝」で あることには確かである。(時永彰治)
「ピッチャー小山田に代わり、遠藤」。ファンはど肝を抜かれ た。しかし、この日一軍に昇格したばかりで、今季初登板の男が最 高の仕事をした。
1点リードの七回一死満塁。一打逆転の絶体絶命のピンチでマウ ンドへ。打者は、代打八木。いきなり2ボール。だが「押し出しな ど、悪い方へは考えなかった」という。144キロ、145キロで 2―2とすると、5球目も直球勝負。打球は遊前のゴロとなり、6 ―4―3の併殺に仕留めた。
八回一死後、今岡に二塁されたピンチも、この日3安打の坪井を 三振に切ってとるなど重責を果たした。先発紀藤の危険球退場で、 巡ってきたチャンス。「緊張もしたが、いけるように準備はしてい た」と1回2/3、26球の熱投を振り返った。
一九九七年のドラフト1位。一年目の昨季は2試合に登板しただ け。今季は五月十一日に一軍に昇格したが、1イニングも投げるこ となくファーム落ち。「二軍の試合で結果を出さないと、一軍へは 上がれない」。課題とする制球力を磨き、再び一軍切符を手 にし、期待にこたえた。
「いま興奮しています。でも、一度だけでは信頼は勝ち取れな い。次が大事なんです」。187センチの大器がいま、スタートライン に立った。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第12節・16日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 57 31 26 0 .544 ― 2 阪 神 57 30 27 0 .526 1.0 3 広 島 55 28 27 0 .509 1.0 4 横 浜 57 28 29 0 .491 1.0 5 巨 人 55 26 29 0 .473 1.0 6 ヤクル 57 26 31 0 .456 1.0



