広島―阪神13回戦(阪神8勝5敗、6時1分、倉敷、二万八千)
阪 神000100000―1 カープ00002003×―5
●…佐々岡と藪の投手戦。広島が逆転勝ちで単独2位に浮上し た。
0―1の五回。広島は二度の中断を挟んで町田、ディアスの連打 と四球で一死満塁とし、緒方が左前に運び、二人が生還。逆転に成 功した。八回には江藤の2ラン、金本のソロと連続アーチで3点を 挙げ、試合を決めた。
先発の佐々岡は四回、ジョンソンに一発を浴びたが、失点はこの 1点だけ。得点圏に走者を置いた六、七回も粘りの投球でしのぎ、 リーグ単独トップとなる8勝目を挙げた。
阪神は佐々岡を攻略しきれず、要所であと一本がでなかった。好 投を続けていた藪も八回に力尽きた。(下手)
【写真説明】右=阪神打線を1点に抑え、完投で8勝目を挙げた佐々岡
左=五回裏、広島一死満塁、緒方が左前に逆転の2点適時打を放つ
何事も気の持ちよう。そんな言葉を実感した試合展開だった。
天気予報が良くなく、試合直前にも雨が降るあいにくの空模様。 試合ができるのかどうか。選手の集中力を欠く要素のある中でのプ レーボール。しかし、佐々岡には関係なかった。
立ち上がりから下半身をしっかり使い、安定したピッチング。唯 一の失投は四回、ジョンソンに先制本塁打された1球だけ。外国人 選手には、簡単にストライクを取りにいってはいけない中での初 球。それでも、気落ちすることなく、攻めの投球が以後もさえた。
一方、阪神の藪も佐々岡に劣らない投球。明暗を分けたのが、雨 による中断だった。五回、二度の中断(計58分)で藪がリズムを崩 した。あと3アウトで勝ち投手の権利を手中にできる、という思い の中で集中力が欠けたのだろう。佐々岡が四球を選び、緒方が2点 適時打を放って逆転だ。
「よしっ、いけるぞ」。選手の動きが見違えるほど良くなった。 七回二死二塁。抜ければ同点、という一、二塁間への打球に町田が 飛びつく好守。試合の流れをがっちりつかんだ。
雨に泣いた阪神。笑った広島。その差は選手の集中力だった。気持ちの持ちようがプレーを生きたものにもするし、殺しもす
る。だから、野球は面白い。野村阪神からの連勝とあっては、
なおさらこたえられない。(時永彰治)
<インさいどアウト>佐々岡、雨にも集中力保つ
断続的に降る雨の中で、両エースの意地がぶつかり合った。勝っ たのは広島の背番号「18」。「集中力を切らないように投げた。バ ックにも助けられたよ」。汗と雨にまみれた佐々岡の表情は、充実 感にあふれていた。
阪神の先発は藪。「先に点をやらないように」と序盤から飛ばし た。四回二死からジョンソンに甘く入ったスライダーを左中間席に 運ばれたが、「あとは自分の投球をすればいい」。すぐに気持ちを 切り替えた。
そして五回裏。計五十八分の中断にも、気持ちを切らないよう努 めた。「ベンチとロッカーをいったり来たりしてね」。逆転した六 回以降は3安打、無失点の力投。中断によるブランクと時折激しく 降る雨という二つの「障害」に打ち勝った。
五回の雨で微妙にリズムを崩し、逆転打を許した藪とは実に対照 的だった。大野コーチは「雨は向こうも同じ条件。集中力を切ら ず、粘り強く投げた」と称賛し、「エースの意地を見せてくれた よ」。
これでハーラー単独トップの8勝目。「意識はしていない。一つ ずつ積み重ねていくだけ」。淡々とした口調に自信がみなぎった。 それを裏付ける精神力と技術を、今の佐々岡は持っている。(加 納)
◎セ・リーグ勝敗表(第12節・17日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1中 日 58 32 26 0 .552 ― 2広 島 56 29 27 0 .518 2.0 3阪 神 58 30 28 0 .517 0.0 4横 浜 58 28 30 0 .483 2.0 5巨 人 56 27 29 0 .482 0.0 6ヤクル 58 26 32 0 .448 2.0



