ヤクルト―広島14回戦(広島8勝6敗、6時21分、神宮、一万四 千)
カープ 104011000―7 ヤクルト100000300―4
●…広島は11安打で7点を奪う効率のいい攻めをみせ、ヤクルト に追い上げをかわして逃げ切った。一昨年七月から続いた神宮での 連敗は17でストップ。佐々岡は両リーグトップの9勝目を挙げた。
同点の三回、打線がつながった。先頭の緒方がバックスクリーン 右に打ち込んで勝ち越し。木村が右翼線二塁打で続き、前田の二直は敵失を誘って2点目。二死後、野村の二塁打などで満塁とし、 西山が中前に運んで2点を加えた。五回には野村の適時打で先発の 田畑を攻略した。
先発の佐々岡は毎回、走者を背負う苦しい投球。3つの併殺を奪 う粘り強さもみせたが、七回に3連打を浴びるなどして降板。ペル ドモ、玉木重、沢崎とつないで何とか反撃をかわした。(天野)
【写真説明】神宮球場での連敗を17でストップし、ベンチに引き揚げて来るナインを笑顔で迎える達川監督(中央)ら
(左)七回途中で降板したものの、4失点で9勝目を挙げた先発佐々岡
やれやれ。やっと勝てた。神宮で二年ぶりの勝利に歓声を上げる 左翼席の赤ヘルファン。マウンドに集まったナインの笑顔。そんな 光景を見ながらほっとする一方、守りの「大切さ」と「怖さ」を痛 感した試合だった。
活発だった打線。2本塁打など長打6本を含む11安打。しかも9 四球。毎回のように塁上をにぎわし、7点を奪った。投げても、佐 々岡が粘りの投球。打者の手元での球の伸びを欠いたが、本塁から センターへの強い風を考えてか、低めに丁寧にボールを集めた。
光った投打以上に見逃せないのが守り。二―四回、佐々岡が先頭 打者を出しながらいずれも併殺に仕留めた。バックとバッテリーの 見事な合作。何よりディアス、木村の落ち着いたプレーは、日々の 練習で培ったあうんの呼吸があったからこそだろう。
投攻守ががっちりかみ合い、六回を終わって大量6点のリード。 久々にまくらを高くして野球が見られる。勝利の瞬間を迎えられ る。正直、そう思った。その心のすきが、グラウンドに伝わるのだ から困る。
七回、前田が右前打をファンブルして二塁への進塁を許したのがき っかけで、あっという間に3点差。小刻みな継投で反撃を断ち、何 とか逃げ切った。冷や冷やの連敗ストップ劇を演じた赤ヘルナイン に言いたい。明日からも、よろしく。(時永彰治)
守護神・沢崎が宮本をスライダーで三振に仕留め、ガッツポー ズ。マウンド上には自然と輪ができ、ベンチ前では選手、首脳陣総 出でナインとハイタッチ。一九九七年七月九日以来、神宮球場で味 わう美酒である。広島が長い、長いトンネルからようやく抜けた。
ベンチ前には塩が盛られ、一回、先頭打者の緒方はホームベース 付近に塩をまいた。1―1の三回、その緒方が勝ち越しソロで口火 を切った。
「2試合分ぐらいに感じた長い試合だったね。試合終了の瞬間は 疲れが出たよ」と汗をふく。「後半、追加点を奪えず、ピンチもあ ったが、みんなで乗り切った。これで神宮で変な意識を持つことは ないね」と表情を緩めた。
三回に貴重な追加点となる2点適時打を放ち、守っても佐々岡、 玉木重ら4投手を好リードした西山。「気持ちだけで打った。勝っ て良かったよ」とほっとした表情を浮かべた。
「エトー」「マエダ」…。スタンドのファンは、フェンス際のグ ラウンドを通って引き揚げる一人ひとりの選手の名をコール。敵地 とは思えない大歓声に包まれた。「大げさかもしれないが、優勝決 定戦のようだった。ここまでの31勝のうち、一番の喜びだ」。達川 監督にとっても喜びはひとしおだった。さらにこう付け加えた。 「こういう試合を勝つと、力がついてくるんだ」。確かな手ごたえ もつかんだ1勝だった。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第13節・24日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 62 34 28 0 .548 ― 2 広 島 60 31 29 0 .517 2.0 3 阪 神 62 31 31 0 .500 1.0 3 巨 人 60 30 30 0 .500 0.0 5 横 浜 62 30 32 0 .484 1.0 6 ヤクル 62 28 34 0 .452 2.0



