コイ夜明け 連敗脱出

'99/7/14

中日―広島15回戦(広島9勝6敗、6時20分、ナゴヤドーム、三 万六千五百)


カープ000000001―1
中 日000000000―0
▽勝 黒田11試合2勝3敗  
▽S 沢崎12試合1勝1敗8S
▽敗 武田15試合6勝5敗  

●…広島は黒田の力投と江藤の適時三塁打で、連敗を13で止め た。

打線は武田の緩急と確かな制球力に矛先をかわされ続けた。六回 までの安打は町田の二塁打だけ。七回には2安打と四球で一死満塁 としながら町田の併殺打でつぶした。ようやく九回、緒方の四球を 足場に二死三塁として江藤が中越え三塁打。待望の1点を得た。

先発の黒田は最高球速149キロの速球を軸に打者のひざ元を積 極的に攻めた。一回に一死三塁とされたが、続く主軸の二人を見事 にさばいた。以後は八回までに二度、得点圏に走者を置いたが、と もに力でしのいだ。許した安打は3本にすぎなかった。九回に救援 の沢崎も一死一、三塁のピンチを切り抜けた。

中日の連勝は8でストップ。(中村忠)

【写真説明】八回まで中日打線を3安打、無失点に抑え、連敗ストップに大きく貢献した先発黒田(下)14連敗を阻止し、決勝打を放った江藤(左から2人目)らを笑顔で迎える達川監督(中央)

▽球炎 ベンチとナインが一丸

勝った。止まった。良かった。「連敗はもういらない。復活!!広 島野球」と段ボールに手書きした横断幕を掲げ、熱心 な声援を送り続けた赤ヘルファン。待望の勝利に歓声を上げる左翼 席を見ながら、こみ上げるものがあった。

黒田が投げた。こん身の力で投げ続けた。一人ひとり、ただアウ トカウントを増やすことしか頭になかったろう。その黒田を新人の 東出が援護した。一回二死三塁。三遊間の深いところに飛んだゴメ スの打球を好捕、素早い一塁送球で間一髪アウトにした。

4試合続けての先発起用。大事な場面で気後れすることなく、持 てる力を発揮した。九回はプレッシャーの中で送りバントをきっち り決めた。若手の落ち着いたプレーに、連敗の責任を一人で背負い 込んでいた感のある江藤が決勝の適時三塁打でこたえた。

最後は、黒田と同期の新ストッパー沢崎。黒田に負けない気迫の投球でチームに六月二十四日以来の 勝利をもたらした。若手とベテラン、ベンチとナインが一丸となっ てつかんだ白星だった。

2時間57分。試合時間に、勝つことの難しさが凝縮されていた。 守り勝つ、という広島野球ができた試合でもあった。球団ワースト タイの13連敗を糧に、この勝利を次の半世紀に向けた広島野球の新 たな一歩としたい。(時永彰治)

▽<インさいどアウト>「速球と度胸」思い出す 黒田

最後の打者・音が二ゴロに倒れた瞬間、マウンドに歓喜の輪が広 がった。やっと勝った。六月二十五日から続いた連敗は13で止まっ た。ベンチには、満面の笑みで握手攻めを受ける背番号「15」がい た。度胸満点の投球を見せた黒田が「悪夢」に幕を下ろした。

今季五度目の先発マウンドは、プレッシャーとの戦いだった。一 回、先頭打者にストレートの四球。だが、140キロ台後半の速球 を軸に、後続を断つ。二回以降も速球でぐいぐい押した。「味方が 点を取るまで粘ろう」

七回からは「足がつったような感じ」を覚え、球速ががたんと落 ちた。だが、気迫でカバーした。八回は二死から李に安打を許した が、続く関川を速球で二ゴロ。勝利を手繰り寄せた。「終わってみ れば投手戦、という感じでした。途中は夢中で投げていたんで」。

チームの窮地を救った今季2勝目は、達川カープの初勝利だった 四月六日以来だ。これ以降、出るたびに打たれるシーンが続いた。 だが、二度の二軍生活が、「自分を見つめ直すいい機会だった」と 言う。速球と勝負度胸。自らの持ち味を思い出した黒田が、がけっ ぷちのチームを救った。

「ここからがスタートという新たな気持ち でやっていきます」。黒田の決意は、ナイン全員の気持ちを代弁し ていた。(加納)

◎セ・リーグ勝敗表(第16節・14日現在)

試 勝 敗 引 勝    
合 数 数 分 率  差 
1 中 日 76 45 31 0 .592 ― 
2 巨 人 74 39 35 0 .527 5.0 
3 横 浜 75 38 37 0 .507 1.5 
4 阪 神 77 38 39 0 .494 1.0 
5 ヤクル 74 33 41 0 .446 3.5 
6 広 島 74 32 42 0 .432 1.0 


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