中日―広島15回戦(広島9勝6敗、6時20分、ナゴヤドーム、三 万六千五百)
カープ000000001―1 中 日000000000―0
●…広島は黒田の力投と江藤の適時三塁打で、連敗を13で止め た。
打線は武田の緩急と確かな制球力に矛先をかわされ続けた。六回 までの安打は町田の二塁打だけ。七回には2安打と四球で一死満塁 としながら町田の併殺打でつぶした。ようやく九回、緒方の四球を 足場に二死三塁として江藤が中越え三塁打。待望の1点を得た。
先発の黒田は最高球速149キロの速球を軸に打者のひざ元を積 極的に攻めた。一回に一死三塁とされたが、続く主軸の二人を見事 にさばいた。以後は八回までに二度、得点圏に走者を置いたが、と もに力でしのいだ。許した安打は3本にすぎなかった。九回に救援 の沢崎も一死一、三塁のピンチを切り抜けた。
中日の連勝は8でストップ。(中村忠)
【写真説明】八回まで中日打線を3安打、無失点に抑え、連敗ストップに大きく貢献した先発黒田(下)14連敗を阻止し、決勝打を放った江藤(左から2人目)らを笑顔で迎える達川監督(中央)
勝った。止まった。良かった。「連敗はもういらない。復活!!広 島野球」と段ボールに手書きした横断幕を掲げ、熱心 な声援を送り続けた赤ヘルファン。待望の勝利に歓声を上げる左翼 席を見ながら、こみ上げるものがあった。
黒田が投げた。こん身の力で投げ続けた。一人ひとり、ただアウ トカウントを増やすことしか頭になかったろう。その黒田を新人の 東出が援護した。一回二死三塁。三遊間の深いところに飛んだゴメ スの打球を好捕、素早い一塁送球で間一髪アウトにした。
4試合続けての先発起用。大事な場面で気後れすることなく、持 てる力を発揮した。九回はプレッシャーの中で送りバントをきっち り決めた。若手の落ち着いたプレーに、連敗の責任を一人で背負い 込んでいた感のある江藤が決勝の適時三塁打でこたえた。
最後は、黒田と同期の新ストッパー沢崎。黒田に負けない気迫の投球でチームに六月二十四日以来の 勝利をもたらした。若手とベテラン、ベンチとナインが一丸となっ てつかんだ白星だった。
2時間57分。試合時間に、勝つことの難しさが凝縮されていた。 守り勝つ、という広島野球ができた試合でもあった。球団ワースト タイの13連敗を糧に、この勝利を次の半世紀に向けた広島野球の新 たな一歩としたい。(時永彰治)
最後の打者・音が二ゴロに倒れた瞬間、マウンドに歓喜の輪が広 がった。やっと勝った。六月二十五日から続いた連敗は13で止まっ た。ベンチには、満面の笑みで握手攻めを受ける背番号「15」がい た。度胸満点の投球を見せた黒田が「悪夢」に幕を下ろした。
今季五度目の先発マウンドは、プレッシャーとの戦いだった。一 回、先頭打者にストレートの四球。だが、140キロ台後半の速球 を軸に、後続を断つ。二回以降も速球でぐいぐい押した。「味方が 点を取るまで粘ろう」
七回からは「足がつったような感じ」を覚え、球速ががたんと落 ちた。だが、気迫でカバーした。八回は二死から李に安打を許した が、続く関川を速球で二ゴロ。勝利を手繰り寄せた。「終わってみ れば投手戦、という感じでした。途中は夢中で投げていたんで」。
チームの窮地を救った今季2勝目は、達川カープの初勝利だった 四月六日以来だ。これ以降、出るたびに打たれるシーンが続いた。 だが、二度の二軍生活が、「自分を見つめ直すいい機会だった」と 言う。速球と勝負度胸。自らの持ち味を思い出した黒田が、がけっ ぷちのチームを救った。
「ここからがスタートという新たな気持ち でやっていきます」。黒田の決意は、ナイン全員の気持ちを代弁し ていた。(加納)
◎セ・リーグ勝敗表(第16節・14日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 76 45 31 0 .592 ― 2 巨 人 74 39 35 0 .527 5.0 3 横 浜 75 38 37 0 .507 1.5 4 阪 神 77 38 39 0 .494 1.0 5 ヤクル 74 33 41 0 .446 3.5 6 広 島 74 32 42 0 .432 1.0



