阪神―広島18回戦(阪神12勝6敗、6時、甲子園、三万一千)
カープ0010000001―2 阪 神0001000000―1 (延長十回)
●…1―1の延長十回、広島は先頭の緒方が左翼席に決勝の22号 ソロを運び、接戦にけりをつけた。広島の連敗は4でストップ。
序盤から紀藤、中込の緊迫した投手戦となった。広島は三回、一 死から緒方が左前打で出塁。続く東出の右中間二塁打で先制した。
紀藤は変化球をコーナーに散らす巧みな投球。四回無死一、三塁 から併殺の間に1点を失ったが、その後も阪神打線に付け入るすき を与えなかった。勝ち越した十回は、代わった沢崎が二死一、三塁 のピンチをしのぎ、逃げ切った。紀藤は5勝目。対阪神戦の連敗も 4で止まった。
阪神は細かい継投を見せたが、三番手福原が手痛い一発を浴び
た。(加納)
▽球炎 非情に徹し総力戦演出
達川監督が非情な指揮官に変身した。そう思ったのは球炎子だけ だろうか。
延長十回の攻めだった。先頭緒方のソロで待望の勝ち越し点を奪 い、続く東出が左前打で出塁。阪神が左の遠山に代えると、前田に 代打木村を送った。これまで見せたことのない思い切ったさい配だ った。
前田にバントをさせたことはあった。しかし、チームで一番の打
率を残している打者。これまでだったら、そのまま打たせていただ
ろう。しかし、この夜は違った。木村に送りバントを命じ、もう1
点を取りにいった。連敗が続く中、1点の重みを肌で感じてきたか
らに違いない。
追加点を奪えなかったものの、チームの勝利を優先する監督の姿 勢はナインに伝わったはずだ。その裏、9回を1失点に抑えてきた 紀藤に代え、新ストッパー・沢崎をマウンドに送った。チームで勝 利をもぎ取る。監督の強い意志の表れでもあったろう。
チームとして戦う。ベンチの姿勢は1点リードの四回の守備でも 見せた。無死一、三塁で前進守備でなく、1点覚悟で併殺プレーを 狙う守備体形を取った。迷う場面だったが、注文通りの併殺でピン チの拡大を防いだのも最後で生きた。
ベンチとナインが思いを一つにしたプレーで連敗を止めた。この 夜の勝利はこれからの試合につながる。そう思いたい。(時永 彰治)
【写真説明】9回を投げて阪神打線を1失点に抑え、5勝目を挙げた紀藤(写真左)
十回表広島無死、先頭の緒方が初球を左翼スタンドに勝ち越しのソロ本塁打を放つ(写真右)
あっという間の出来事だった。鋭い音を残し、打球は高い弾道と なって、赤一色に染まった広島ファンの待つ、左翼席に吸い込まれ た。緒方の電光石火の一撃が、連敗トンネルから脱出へと導いた。
延長十回、マウンドには福原。その初球、肩口から入るカーブを 思い切り振り抜いた。「詰まり気味だったけど、上がった角度が良 かった。うまく風に乗ってくれたね」と、22号アーチを振り返る。
「紀藤さん、すごかったよね」。自らの決勝弾の話の後、真っ先 に先発紀藤のの頑張りたたえた。「一番ばてる終盤でもスピードが あった。九回の打席(二死一塁)では汗だくで頑張っていた」。9 回、104球の熱投を見せた三十四歳のベテランの男意気に、すぐ さまバットでこたえてみせた選手会長もすごい。
足でも見せた。三回、東出の二塁打で、相手の中継ミスのすきを つき、一塁から一気に先制のホームを奪った。「(故障していた) 右足首の状態もだいぶいいよ。打席に入るのが楽しい」。打率も9 試合ぶりに3割台に復帰。広島のリードオフマンは、胸を張って初 の球宴に臨む。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第17節・21日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 82 49 33 0 .598 ― 2 巨 人 80 44 36 0 .550 4.0 3 横 浜 80 39 41 0 .488 5.0 4 阪 神 83 39 44 0 .470 1.5 5 ヤクル 79 37 42 0 .468 0.0 6 広 島 80 34 46 0 .425 3.5



