阪神―広島19回戦(阪神12勝7敗、6時、甲子園、三万)
カープ000010200―3 阪 神000000020―2
●…広島は連夜の1点差ゲームを制し、前半戦を締めくくった。
0―0の均衡を破ったのは五回。先頭の金本が阪神先発の藪の3 球目を右翼席にソロ本塁打。七回二死満塁からは、黒田が投手右へ 意表をつくセーフティーバント。三塁走者に続き、相手一塁がもた つく間に、二塁走者も一気に生還。この回の2点が大きかった。
先発の黒田は毎回のように走者を出したが、140キロ台後半の 速球と、切れのある変化球で要所を締め、七回まで無失点。八回、 ジョンソンの右越え二塁打で2点を失ったが、最後は沢崎が締め た。
阪神は広島を上回る9安打を放ったが、序盤の拙攻が響き、藪の 好投に報えなかった。(下手)
【写真説明】七回表、広島二死満塁、黒田がセーフティーバントを決め、失策も誘い、2者が生還し3―0とする
五回表、広島無死、金本が右翼スタンドへ先制の17号ソロ
2試合続けての1点差勝ち。投手が力投、バックも堅守でもり立 てる。しかも、そつのない走塁と広島らしさが存分に出ての連勝 劇。やるもんではある。
なかでも、黒田のプッシュバント。七回二死満塁から、二塁手前 へ絶妙に転がした。内野安打となり、三塁走者の野村に続いて、二 塁走者の金本までが本塁を陥れた。
あれは四月七日、広島市民球場であった地元開幕カードの対阪神 2戦目だった。八回一死満塁から、2ランスクイズを決められた。 広島のお株を奪った攻め。ベンチは忘れていなかった。結果的にこ の金本の1点が決勝点になった。まさに価値ある走塁だった。
スキあらば、次の塁を狙う。ここまでなかなか見られなかった。 この回、お手本を示したのが野村。四球で出塁し、金本の中前打で 一塁から三塁に走った。新庄の矢のような送球が背中に当たり、そ れる間に金本も二塁を奪った。体を張った野村の激走が、広島野球 を目覚めさせたといっても過言ではないだろう。
野村は痛めている右股(こ)関節と相談しながら、プレーしてきた。球 宴休みには、しっかり体の手入れをしてほしい。前田らも同様だ。 球宴出場の緒方らも、体のケアを怠っては困る。
この日、広島の梅雨が明けた。これで打線が梅雨明けといけば、 後半戦の赤ヘルは期待できる。(時永彰治)
<インさいどアウト>技あり「2ラン」バント
まさに「独壇場」だった。8回を2失点と力投、自ら貴重な追加 点も、もぎ取った。「いい投球ができた。イメージ通りに投げられ るようになってきた」。カクテル光線を浴びたお立ち台に、自信に あふれた黒田の姿があった。
最高149キロの速球にスライダー、フォークを織り交ぜた投球 がさえた。六回にはブロワーズ以下を三者連続三振。緊迫した投手 戦が続く中、一つのことだけに集中していた。「腕を思い切り振 る」。
1―0の七回二死満塁で打席に立つと、初球を一、二塁間に絶妙 のセーフティーバント。「大下さんのアドバイス。開き直ってやっ た」というバントで2点を加え、自らを楽にした。八回に2点を失 ったが、続く矢野を気迫の直球で三ゴロ。ヤマ場を乗り切った。
十四日の中日戦は8回を無失点に抑えてチームの連敗を止めた。 真価が問われるこの日のマウンドでも、結果を出した。
これで前半戦は3勝3敗で終えた。「コーチに言われ続けていた 『緩急』の意味が分かってきた気がします」。大野コーチが「ロー テの柱に」と期待する黒田。成長著しいその右腕はまさに、後半戦 の「希望」である。(加納)
◎セ・リーグ勝敗表(第17節終了・22日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 83 50 33 0 .602 ― 2 巨 人 81 44 37 0 .543 5.0 3 横 浜 81 40 41 0 .494 4.0 4 阪 神 84 39 45 0 .464 2.5 5 ヤクル 80 37 43 0 .463 0.0 6 広 島 81 35 46 0 .432 2.5



