広島―巨人16回戦(巨人10勝6敗、6時23分、広島、二万二千)
巨 人000110000―2 カープ00011002×―4
●…広島は競り合いを制し、球宴を挟んで3連勝とした。同点の 八回、一死から東出の四球で先発のガルベスを落とすと、河野から 前田が死球。二死後、野村の右中間2点二塁打で決勝点を得た。
佐々岡とガルベスは序盤をともに1安打という素晴らしさ。先手 を取られたのは佐々岡だった。四回、高橋に先制の一発を浴びる と、五回にも一死後、村田真に右へ打ち込まれた。
この間、打線も援護した。先手を取られた直後の四回、無死から 四球、盗塁の東出を二塁に置いて、前田が同点の二塁打。五回にも 二死二塁から緒方の適時二塁打で、再び横一線とした。
佐々岡は六回以降も緩急を巧みに操り、七年ぶりの完投で10勝目を挙げた。 (中村忠雄)
【写真説明】左=八回裏、広島二死一、二塁、野村が左中間に2点二塁打し、4―2と勝ち越す
右=巨人打線を2点に抑え、7年ぶりの10勝目を挙げた佐々岡
後半戦の初戦。最下位脱出のため、落としたくない大事な試合。 広島は反攻への一歩を最高の勝ち方で踏み出した。
完投の佐々岡、勝ち越し打の野村。勝利の立役者は投打のベテラ ンだったが、演出したのは若い東出。まだあどけなさの残る素顔と 裏腹に、一年目とは思えない存在感があった。
八回一死から四球を選んで出塁。巨人・長嶋監督は好投のガルベ スから、左の河野に代えた。長嶋監督の頭には四回、四球の東出が バッテリーのウエストボールをかいくぐり、二盗を決めたシーンが よぎったはずだ。
1点勝負。前田、金本、野村と続く左打者に左投手をぶつけ、 東出も一塁にくぎ付けにする。そんな計算だったろう。その河野が 2球続けてけん制した後、初球を前田にぶつけた。金本は三振に倒 れたが、続く野村に気迫の決勝タイムリーが飛び出した。
長嶋監督にプレッシャーをかけた東出の足。実は六月九日の阪神 10回戦(大阪ドーム)で代走に起用され、二盗のサインが出ながら スタートが切れず二軍行きを命じられた。二週間後、一軍に戻って 最初の試合で二盗を決め、一気にエンジン全開だからすごい。
広島野球の申し子と言える若武者、東出のプレー。これからも大い に楽しみだし、後に続く若者が出てくれば言うことなしである。 (時永彰治)
<インさいどアウト>欠かせぬ存在 実証/野村
雨模様の中、今季最多タイの二万二千人が集まった広島市民球 場。広島ナインがファンに六月十六日以来となる白星をプレゼント した。贈り主の主役は野村だ。
大詰めの八回二死一、二塁。マウンドには左腕河野。カウント2 ―2からの6球目。決め球のスライダーをとらえた。打球は右中間 を深々と破った。
走者を置いて迎えた第2、3打席では凡退。「いつも走者をかえ そうと打席に入っているのだが、なかなか打てなかったからね」。 ここ一番の勝負強さは、さすがである。
「きょうはササ(佐々岡)が頑張っていたしね」。粘りの投球を 見せるエースをこのまま放っておくはずがない。一カ月以上も勝ち 星から見放されているエースにも白星をプレゼントした。
「広島市民球場での後半戦最初の試合。多くのお客さんが来てく れたし、打てて良かった。でも、きょうは佐々岡でしょう」と打の ヒーローは控えめだ。九月十日からは日本代表メンバーとしてシド ニー五輪アジア地区予選(ソウル)に挑む。「チームリーダーとして 期待している」と代表関係者も信頼を寄せている。チームでも、 代表でも、この男は欠かせない存在である。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第18節・30日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 84 51 33 0 .607 ― 2 巨 人 82 44 38 0 .537 6.0 3 横 浜 82 41 41 0 .500 3.0 4 阪 神 85 39 46 0 .459 3.5 5 ヤクル 81 37 44 0 .457 0.0 6 広 島 82 36 46 0 .439 1.5



