横浜―広島19回戦(横浜13勝6敗、6時、横浜、二万七千)
カープ001002001―4 横 浜000002000―2
●…広島は先発、河野の力投と救援陣の踏ん張りで、横浜に競り 勝った。連敗を3で止め、阪神と入れ替わって5位に上がった。河 野はプロ三年目で初勝利。
河野は序盤、制球が定まらず、一回は二死一、二塁、二回は二死 一、三塁のピンチを迎えたが、後続を抑えて波に乗った。六回に佐 伯に2ランを浴びたものの、速球とスライダーを主体に当たってい る横浜打線に4安打、2失点。後を継いだ小山田、沢崎も走者を出 しながら無失点にしのいだ。
先取点は三回。西山の右前打と敵失などで二死一、三塁とし、前 田が中前打。六回は二死満塁から西山が三遊間を破って2点を加 え、九回も代打、野村の適時打で、リードを広げた。
横浜の連勝は10でストップ。(天野)
【写真説明】横浜打線を六回まで4安打、2点に抑え、プロ3年目で初勝利を飾った河野
広島の勝利は若者二人の果敢なマウンドさばきが下敷きだった。 先陣は、この道三年目の河野である。破壊力のある横浜打線を相手 に5回を散発3安打。直球とスライダーを軸に、真っ向勝負に出 た。球道にはブレもあったが、球は両サイドに割れ、打者の読みを 外して見事だった。
この間、味方の得点は1点にすぎなかった。走者を出せば一気に 逆転の怖さのある相手に、物おじしたところはなかった。常に気持 ちを前に出し、しかも球に自らの意思を伝え、右の指先に気持ちを 集中した。その裏側に四日のこのカードで、8回を3失点に抑えた 自信が力になっていたことは紛れもない。
六回に佐伯の2ランでつまずいた。四球直後の初球は気を付け ろ、とされる。その初球が甘い高めの球では悔いも残るが、ここは 今後の勉強だろう。
救援の小山田も素晴らしかった。差は1点にすぎない局面で、2 回を無安打は新人だけに立派である。最速146キロの直球とシン カーを武器に河野を上回るほどの挑戦的な球配り。1点こぼせば、 勝利の女神にそっぽを向かれかねない中で、持ち味のフル回転は並 の若者ではない。
資質十分な若者二人によって、つわもの相手に、チームの連敗を 断ち切った意味は大きい。ベンチの思いもさぞやと感じたものであ る。(中村忠雄)
<インさいどアウト>配球絶妙 気持ちも「制球」
「未勝利」の三年目河野の大仕事である。チームの連敗を3で、 横浜戦の連敗も8で止めた。二十一歳が通算11試合目で勝ち取った 価値あるプロ初勝利だ。
今季三度目の先発マウンド。「試合前は調子がいまひとつだっ た」。一回の2四球など制球に苦しんだ。ところが、今までと違う のは、きちんと気持ちを切り替えられたところだ。毎回のように走 者を背負ったが、140キロ台の速球とスライダーの絶妙の配球で 横浜の強力打線を五回まで0点。失点は六回の佐伯の2ランだけだ った。
6回を4安打、2失点の内容に「四球を出しても、本塁打を浴び ても、後をしっかり抑えられた。僕もちょっぴり成長したかな」。 確かな成長の跡である。
二月の日南春季キャンプでは丸刈りになり、周囲を驚かせた。 「この髪が伸びているころには、一軍で活躍しています」。朝の練 習前の恒例のあいさつで、こう宣言した。
あれから半年。髪もすっかり伸びた。遅まきながら、キャンプで の公約の第一段階を果たした。「試合終了の瞬間は涙が出そうでし た。うれしくて」。ウイニングボールと、この日つかんだ大きな自 信を持って、球場を後にする185センチの河野が、ひと回り大きく見 えた。(下手)
◎セ・リーグ勝敗表(第20節・11日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 93 56 37 0 .602 ― 2 巨 人 92 51 41 0 .554 4.5 3 横 浜 91 49 42 0 .538 1.5 4 ヤクル 91 42 49 0 .462 7.0 5 広 島 92 39 53 0 .424 3.5 6 阪 神 95 40 55 0 .421 0.5



