阪神―広島22回戦(阪神14勝8敗、6時、甲子園、三万八千)
カープ000010122―6 阪 神000001000―1
●…広島は終盤、打線が爆発して阪神投手陣を打ち込み連敗を5 で止めた。
前半、2併殺と拙攻の打線が五回、木村の先制ソロで点火。追い 付かれた直後の七回には一死満塁から東出の右犠飛で勝ち越し、八 回には野村が2ラン。九回には金本の適時打と江藤のソロで試合を 決めた。
黒田は一回、先頭坪井にストレートの四球。不安な立ち上がりだ ったが、一ゴロ併殺で切り抜けた。以後は速球主体の攻めの投球で 阪神打線をほんろう。五回に打球を右腕に受けて降板。六回から救 援の遠藤が同点とされたが、つないだ菊地原が好投。菊地原は四月 八日以来の2勝目。
【写真説明】五回表、広島一死、右翼ポール際への先制の3号ソロを放った木村を祝福する広島ベンチ
先発の黒田は最近の投球内容が悪く、首脳陣からこの夜の登板が 「ラストチャンス」と言われていたと聞く。いわば、のっぴきのな らない立場にあった。こうした場合、憶病風に吹かれて、持ち味の フル回転とはいきにくいものだが、黒田は違った。いかにも若者ら しく、躍動感にあふれたマウンドさばきであった。
「虎(こ)穴に入らずんば、虎児を得ず」といった趣で、その度 胸には敬服した。球配りは八割までが直球で、広島の外木場二軍コ ーチの入団時をほうふつとさせる迫力があった。惜しくも五回に吉 田浩の打球を右の上腕部に受け、この回の終了時点で降板したが、 この間に喫した安打は遊撃への内野安打だけだった。
最速150キロの直球を前面に押し出しての勝負で、印象的だっ たのがジョンソンとの対決。力のある相手に2打席とも直球だけで 三邪飛と二ゴロにさばいている。球が速いのでアクセント代わりの 変化球も効果的で、阪神打線をすっかりまな板に載せてしまった。
光り輝いたマウンドさばきは、状態のよさだけが理由ではなかっ たように思う。結果を切り捨て、持ち味のフル回転にすべてを投入 した、その成果と見る。この夜の気持ちと状態を持続できるのであ れば、その資質からして、来季は「旬」を迎えることができる。 (中村忠雄)
甲子園の長い通路を「わき役」の選手が笑顔で次々引き揚げた。 木村、東出、浅井、菊地原…。普段はスポットを浴びにくい選手が、快勝劇の原動力となった。
0―0の五回に、今月五日以来の先発に燃える木村が「幕」をこ じ開けた。右翼ポール際に運ぶ3号ソロで先制。「低めの難しい球 に、うまく体が反応した。子どものために打ち打ちました」。二十 四日には第一子の長男が誕生。発奮材料には事欠かなかった。
七回には、無死から木村が左前打で、一死から代打浅井が 安打でつないだ。一死満塁。東出の右犠飛で 勝ち越し。東出は「最低限の仕事ができました」と、新人ら しからぬ冷静な表情で振り返った。
続いて菊地原だ。六回途中から遠藤を救援し、八回までパーフェ クトの快投。今季二度の二軍落ちを経験した七年目の左腕が、四月 八日以来の2勝目を手にした。「1勝目よりも、手ごたえが感じられる」。終盤は野村、江藤ら「主役」も発奮して大勝。達川監督は 次々とヒーローの名を挙げた後、言った。「今日の勝 ちは大きいよ」。来季をにらんでの言葉だろう。(加納)
◎セ・リーグ勝敗表(第22節終了・30日現在) 試 勝 敗 引 勝 合 数 数 分 率 差 1 中 日 107 64 43 0 .598 ― 2 巨 人 107 60 47 0 .561 4.0 3 横 浜 104 54 50 0 .519 4.5 4 ヤクル 104 48 56 0 .462 6.0 5 阪 神 109 49 60 0 .450 1.5 6 広 島 107 44 63 0 .411 4.0



