3発で連敗脱出 救援菊地原2勝目

'99/8/30

阪神―広島22回戦(阪神14勝8敗、6時、甲子園、三万八千)


カープ000010122―6 
阪 神000001000―1 
▽勝 菊地原17試合2勝3敗  
▽敗 舩木15試合2勝3敗   
▽本塁打 木村3号@(舩木)野村5号A(山崎)江藤26号@(田 村)

●…広島は終盤、打線が爆発して阪神投手陣を打ち込み連敗を5 で止めた。

前半、2併殺と拙攻の打線が五回、木村の先制ソロで点火。追い 付かれた直後の七回には一死満塁から東出の右犠飛で勝ち越し、八 回には野村が2ラン。九回には金本の適時打と江藤のソロで試合を 決めた。

黒田は一回、先頭坪井にストレートの四球。不安な立ち上がりだ ったが、一ゴロ併殺で切り抜けた。以後は速球主体の攻めの投球で 阪神打線をほんろう。五回に打球を右腕に受けて降板。六回から救 援の遠藤が同点とされたが、つないだ菊地原が好投。菊地原は四月 八日以来の2勝目。

【写真説明】五回表、広島一死、右翼ポール際への先制の3号ソロを放った木村を祝福する広島ベンチ

▽球炎 黒田「背水」の度胸

先発の黒田は最近の投球内容が悪く、首脳陣からこの夜の登板が 「ラストチャンス」と言われていたと聞く。いわば、のっぴきのな らない立場にあった。こうした場合、憶病風に吹かれて、持ち味の フル回転とはいきにくいものだが、黒田は違った。いかにも若者ら しく、躍動感にあふれたマウンドさばきであった。

「虎(こ)穴に入らずんば、虎児を得ず」といった趣で、その度 胸には敬服した。球配りは八割までが直球で、広島の外木場二軍コ ーチの入団時をほうふつとさせる迫力があった。惜しくも五回に吉 田浩の打球を右の上腕部に受け、この回の終了時点で降板したが、 この間に喫した安打は遊撃への内野安打だけだった。

最速150キロの直球を前面に押し出しての勝負で、印象的だっ たのがジョンソンとの対決。力のある相手に2打席とも直球だけで 三邪飛と二ゴロにさばいている。球が速いのでアクセント代わりの 変化球も効果的で、阪神打線をすっかりまな板に載せてしまった。

光り輝いたマウンドさばきは、状態のよさだけが理由ではなかっ たように思う。結果を切り捨て、持ち味のフル回転にすべてを投入 した、その成果と見る。この夜の気持ちと状態を持続できるのであ れば、その資質からして、来季は「旬」を迎えることができる。 (中村忠雄

▽インさいどアウト わき役いきいき

甲子園の長い通路を「わき役」の選手が笑顔で次々引き揚げた。 木村、東出、浅井、菊地原…。普段はスポットを浴びにくい選手が、快勝劇の原動力となった。

0―0の五回に、今月五日以来の先発に燃える木村が「幕」をこ じ開けた。右翼ポール際に運ぶ3号ソロで先制。「低めの難しい球 に、うまく体が反応した。子どものために打ち打ちました」。二十 四日には第一子の長男が誕生。発奮材料には事欠かなかった。

七回には、無死から木村が左前打で、一死から代打浅井が 安打でつないだ。一死満塁。東出の右犠飛で 勝ち越し。東出は「最低限の仕事ができました」と、新人ら しからぬ冷静な表情で振り返った。

続いて菊地原だ。六回途中から遠藤を救援し、八回までパーフェ クトの快投。今季二度の二軍落ちを経験した七年目の左腕が、四月 八日以来の2勝目を手にした。「1勝目よりも、手ごたえが感じられる」。終盤は野村、江藤ら「主役」も発奮して大勝。達川監督は 次々とヒーローの名を挙げた後、言った。「今日の勝 ちは大きいよ」。来季をにらんでの言葉だろう。(加納)

◎セ・リーグ勝敗表(第22節終了・30日現在)

試 勝 敗 引   勝   
合 数 数 分   率  差
1 中 日 107 64 43  0 .598  ―
2 巨 人 107 60 47  0 .561 4.0
3 横 浜 104 54 50  0 .519 4.5
4 ヤクル 104 48 56  0 .462 6.0
5 阪 神 109 49 60  0 .450 1.5
6 広 島 107 44 63  0 .411 4.0


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