息詰まる投手戦 中日が最終回にエラー

'99/9/4

広島―中日23回戦(広島14勝9敗、6時21分、広島、一万五千)


中 日000000000―0 
カープ000000001―1 
▽勝 佐々岡22試合13勝7敗  
▽敗 山本昌21試合6勝5敗  

●…広島は今季二度目のサヨナラ勝ちで、中日戦の勝ち越しを決 めた。0―0の九回二死一、二塁。西山の左飛を福留が落球し、野 村が二塁から生還。あっけない幕切れとなった。

広島の先発佐々岡は六回二死三塁など、毎回のように走者を置い たが、要所を締めた。最後まで丁寧な投球で中日打線を寄せ付け ず、散発の5安打。今季五度目の完封で13勝目をマークした。

打線は中日の先発山本昌の前に八回まで4安打。五回二死満塁の 絶好の先制機も逃した。それだけにバッテリーを中心に粘り強く守 り切ったのが、幸運な決勝点に結び付いた。

中日は二度のバント失敗など拙攻が響き、山本昌の好投に報え ず、痛い星を落とした。(下手)

【写真説明】九回裏、広島二死一、二塁、サヨナラ勝ちになる左外飛を打った西山(左から5人目)を笑顔で迎える佐々岡(左隣)ら

▽球炎 見せた意地 ファン魅了

九月。記者席を抜け出てスタンドで見た。吹き抜ける風はすっか り秋風だった。しかし、ファンの応援はいつもと変わらない熱気が あった。左翼席上段に陣取り、優勝に燃える中日ファンに負けてい なかった。

そんなファンの熱い思いとは裏腹に地元、広島市民球場では八月 に2勝9敗と大きく負け越した。最下位低迷の責任を取る形で大下 ヘッドコーチの退団が決まった。そして、達川監督の続投も決まっ た。激震が走った赤ヘルだが、スタンドに詰め掛けたファンは一万 五千人。これからのカープがどんな戦いをするか。そんな思いでグ ラウンドを見守っていたに違いない。

声援を送り続けるファンに佐々岡が、ナインがこたえた。マジッ ク22が点灯している首位中日を相手に、大黒柱の佐々岡は、西山の 好リードもあって9回を投げ切り、スコアボードに0を並べた。そ して迎えた九回の攻撃。二死一、二塁から西山の打球は左中間へ。 前進守備の福留が後退し、白球はグラブに収まったかに見えたがこ ぼれた。

劇的なさよならエラー。一死一塁から送りバントを命じたベンチ と、きっちり決めた新井。ひたむきなプレーが、勝利の女神のいた ずらを呼んだ。首位中日から勝ち越しを決める14勝目。スタンドの 大歓声はナインが、ベンチが見せた意地への拍手に聞こえた。 (時永彰治

▽佐々岡13勝目を完封で飾る

●…13勝目を、両リーグ最多の五度目の完封で飾った佐々岡。 「力まずに、自分のピッチングを心掛けた」と、気持ち良さそうに 汗をぬぐった。

直球、変化球を内外角に散らして中日打線をほんろうした。得点 圏に走者を背負ったのは六回だけ。五、七回には素早いバント処理 でピンチを切り抜けるなど、フィールディングもさえた。

大野コーチも「(サヨナラ失策)は、佐々岡が丁寧に粘り強く投 げた結果。若い投手が刺激を受けてほしいね」と、手放しでエース をたたえた。

これで中日からは、すべて完投で4勝目。しかもノーヒットノーラン(5月8日)を含む完封3で、「竜キラー」ぶりを発揮している。「相性もあるし、向こうの打者 が勝手に考えてくれている。他球団からも、もっと勝ちたいよ」と 口調は滑らかだった。

◎セ・リーグ勝敗表(第23節・4日現在)

試 勝 敗 引  勝   
合 数 数 分  率   差
1 中 日 110 65 45  0 .591  ―
2 巨 人 111 61 50  0 .550 4.5
3 横 浜 108 56 52  0 .519 3.5
4 ヤクル 108 52 56  0 .481 4.0
5 阪 神 112 50 62  0 .446 4.0
6 広 島 109 45 64  0 .413 3.5


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