横浜―広島6回戦(横浜4勝2敗、13時、横浜、14110人)
広 島011001000―3
横 浜200000002―4
▽勝 クルーン7試合1勝6S
▽敗 永川8試合1勝2敗4S
▽本塁打 仁志3号(1)(フェルナンデス)村田3号(1)(フェルナンデス)嶋3号(1)(寺原)栗原3号(1)(寺原)金城1号(2)(永川)
●…横浜が2試合連続のサヨナラ勝ち。2―3の九回一死一塁で金城が右越えに逆転サヨナラ2ランを放った。クルーンが初勝利。広島はフェルナンデスが八回途中まで2失点と好投したが、抑えの永川が前日に続いて救援に失敗した。
▽球炎 なぜ総力を挙げない
広島ファンで満員だった横浜スタジアムの左翼席では試合終了後、しばらく立ち上がれない人が大勢いた。大半の人が激しい脱力感に襲われ、どこを見つめているわけでもない。ぼうぜんとしている。単なる1敗には思えない、ファンの心の痛みを映す光景だった。
結果論になるが、攻撃に全力を尽くしたとは言い難い。レギュラーを休養させて挑んだ試合の目的は分かるが、ゲームに一切、使わない意図が理解できないのである。1点でも多くほしい九回一死一、三塁からの攻撃に疑問が残った。
石原をそのまま打席に送り、動かないまま浅い右飛に倒れ、二死から前田を代打に起用した。なぜ前田を先に使わないのか。ベンチには緒方、尾形、梵も控え、捕手には倉もいる。休養が最優先される采配(さいはい)を横浜から見れば、全力で点を奪いにきていないようにも映るだろう。立派なスキである。
スタメン選手に試合への責任をもたせると聞いたが、現在の成績で余力を残して負けることを受け入れられる余裕はない。今は1点でも多くとるため、総力を挙げて挑む時期ではないか。選手がいるのに休養のために使わない。心が折れそうな負け方である。(木村 雅俊)
▽永川、逆転サヨナラ被弾
ベンチ裏から引き揚げてきた永川は、ふがいなさに泣いていた。まさかの連続逆転サヨナラ負け。「2試合もチームに迷惑を掛けた。何を言っても仕方がない」。悪夢に目は背けない。帰りのタクシーに乗り込むまで必死に声を絞り出した。
九回の登板は前日と同じ1点リード。先頭打者に四球を与えたが、次打者のバントは二塁で刺した。打席に金城。カウント0―1から投じた球は真ん中へ入った。投げ終えてすぐ反転、右翼席に消える白球を探した。「打たれたのだから、悪い球だったのだろう」。前日にサヨナラ打を浴びた球と同じ142キロ。スピードが出ていなかった。
ここまでは安定感が際立っていた。横浜入りするまで25人の打者と対戦し、わずか被安打3。三振は8。ところが前日は3安打を浴びた。「切り替えるしかないと思っていたが…」。この日の四球、被本塁打も今季初めて許したものだった。
守護神は面目を保てなかった。それでも今、広島の九回は永川しかいない。「僕は信頼している。あとは彼自身が折れないようにすること」。小林投手コーチの悔しさに震える声は、祈っているようだった。(五反田康彦)
▽魔球ついに真価 フェルナンデス7回1/3を2失点
8日のヤクルト戦以来、2試合目の先発となったフェルナンデスが7回1/3を投げて2失点の好投。サヨナラ負けで来日初白星はおあずけになったが、「野球とはこういうもの。ポジティブに進んでいきたい」と前向きだった。
一回に先頭打者の仁志と4番村田にソロ本塁打を浴びた。「強風の中、どの速さのナックルが有効か試していた」という。二回からは「速いナックル」主体に切り替え、横浜打線を手玉にとって無失点。2四死球と制球も安定していた。
日本デビュー戦の前回は10失点。自信をつかんだのでは、との問いに「私はこれまで、一度も自信を失ったことがない」ときっぱり。揺れる魔球とは対照的に、自信は揺らいでいない。
【写真説明】【横浜―広島】九回裏、横浜一死一塁、金城に逆転サヨナラ2ランを浴びて2日連続で負け投手となり、ぼうぜんと引き揚げる永川(撮影・荒木肇)
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