野村監督を迎えた広島は26日、中日との開幕戦(ナゴヤドーム)でペナントレースのスタートを切る。「優勝」という明確な目標を定めた1年。8勝7敗で終えたオープン戦から野村イズムの浸透ぶりを野手、投手に分けてチェックする。
▽足絡め得点機逃さず 中軸の奮起不可欠
集中打、好走塁、そして、ミスにも乗じた大量点…。沈黙していた打線が一気に沸き立つ。12球団中、10位の打率2割4分3厘だったが、1試合平均得点はトップの4・7という効率の良さ。野村カープは小粒な攻撃陣が足を絡めて攻め立てる、新たな攻撃の形を見せた。
15試合で1イニング3点以上を奪ったのが10度。ほとんど四球が絡み、安打が少ない割に畳みかける攻めが目立った。その要因は走者に次の塁を狙う積極性が浸透したからだ。
「単打が続いた時は(攻めやすい)一、三塁の形を多くつくることができた。ボテボテのゴロを安打にし、焦りによるバッテリーミスも誘った」と野村監督。チャンスを見逃さず、もう一つ先の塁を奪うしたたかさは相手に想像以上のダメージを与える。オープン戦で選手はそれを実感した。
公式戦でも打順は固定する方針だ。1、2番の東出、梵はバント、エンドランと小技ができる。3番天谷も俊足で、スイングは速くなった。顔ぶれは昨季と同じだが、各自が役割を徹底するだけに期待感は違う。
上位の出塁で相手を揺さぶり、得点の準備を整えるのが基本型。東出は「僕たちの働きも大事だが、長いシーズンで得点力を上げるには中軸の活躍が不可欠」と言う。安定した戦いのため4番以降の奮起を求める。
オープン戦で4〜6番は苦しんだ。主砲栗原は良かったり、悪かったりを繰り返した。5、6番が予想されるフィオ、ヒューバーは日本野球への対応に不安を残した。中軸が上向かなければ、試合の勝負どころを代打前田に託す場面は増えてくる。
実績のない選手が多く、好不調の波は大きくなるだろう。スタメンに守備力がある選手を並べるのも、打てない時に守りで活路を開くためだ。野村監督も「打線がつながらない試合はある。粘り強く、辛抱強く戦う」と覚悟する。オープン戦で見せた「攻撃の形」を最後まで信じ、チーム全体で貫くことができるか。野村采配(さいはい)の見せどころだ。(五反田康彦)
【写真説明】<上>3番として、飛躍の期待が高まる天谷 <下>5番で安定した打撃が求められるフィオ
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