|
▽「地域の命綱」存続不安
尾道市瀬戸田町、広島県立瀬戸田病院(五十床)の移管先候補だった県東部の民間医療法人が、採算面から移管受け入れを辞退したことが十九日、明らかになった。地域の医療拠点の移管計画は振り出しに戻り、病院や地元に波紋が広がった。
「先行き不透明だが、医師としてはこれまで通りきちんと医療をやっていく」。板垣衛治院長は強調する。しかし、移管候補となっていた医療法人は、昨年十二月の審査で応募の三法人から絞り込まれ、二次審査に入っていた。この段階での白紙化に、猪狩敏郎事務長は「二十四日に三回目の審査が予定されていたのに」と戸惑う。
二十年近く通院する町内の田中義一さん(77)は最近、旧尾道市内で目の手術をした。術後の通院は瀬戸田病院にする。「年寄りの足では尾道まで通えない」と病院の存続に不安を抱く。
瀬戸田病院は一九四八年四月開設。内・外・眼・婦人科とリハビリテーションの五科で、二〇〇六年度の病床利用率は61・8%、外来患者は三万三千二百五十人。二十四時間の救急体制を取り、「地域の命の綱」の役割を果たしている。
市の花谷慶孝福祉保健部長は「辞退は残念。移管先を選定する県の今後の判断を待ちたい」としている。(石田憲二、田儀慶樹)
|