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大気汚染物質は黄砂が運ぶ? 山口県など、健康影響調査へ '08/3/14

 中国地方で三月上旬に今季初の観測をした黄砂の健康への影響について、行政や研究者の間で懸念が広がっている。中国から飛来する途中で大気汚染物質の付着が指摘され、中国地方では山口、鳥取県が四月から本格的な研究に着手する。環境省も調査を始めるなど実態解明の動きが加速している。

 日韓両国の自治体が連携して近く調査をスタートさせる。山口、福岡、長崎、佐賀の国内四県と、韓国の釜山市など一市三道が参加。六月までそれぞれが飛来した黄砂を採取し、七月以降に協議の場を設けて統一した分析方法を探る。山口県は「黄砂に含まれる成分を早期に明らかにしたい」と狙いを説明する。

 中国の対岸に位置する鳥取県は、従来も調査をしてきたが「実態把握には不十分」と判断。観測地点を追加したほか、手つかずだった微小粒子も対象に広げた。鳥取大医学部(米子市)と連携して健康被害調査も進める。

 大気中の微粒子によって視程(見通せる水平距離)が十キロ未満になる現象を「煙霧」と呼び、広島県内でも発生した際に体調不良を訴える声が県に寄せられた。要因の一つが黄砂とみられ、中国地方五県は共同で、発生メカニズムの解明や含有する有害物質の調査を始めることを決めた。

 国レベルでは環境省が健康影響に絞って学術文献などの情報収集に初めて着手。「中国での砂漠の拡大で飛来が頻繁になり、住民から健康不安の声も出始めている」と理由を話す。

 行政より早く黄砂の成分に着目したのが、名古屋大太陽地球環境研究所。松見豊教授(55)は二〇〇四―〇五年、独自の技術で黄砂の粒に酸性雨などの原因となる硫黄酸化物、ぜんそくを引き起こす窒素酸化物の付着を確認した。

 松見教授は「自動車が急増する中国で、排ガスに含まれる発がん性物質が黄砂に付着している可能性がある」とも指摘。官民一体となった調査や研究の必要性を訴えている。(武内宏介)

 ●クリック 黄砂と観測方法

 中国内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などから大気中に舞い上がった黄砂粒子が、偏西風にのって数千キロをわたり、降下する現象。大半の気象台は、観測者が色などを目視して黄砂かどうかを独自に判断している。広島市中区の過去10年の観測日数は、2002年の30日間が最も多く、07年は8日間。環境省は全国5カ所にレーザーを使用した観測器を設置し、垂直方向の黄砂濃度をリアルタイムで観測。中国地方では松江市にある。

【写真説明】広島市中心部で3日、今季初の飛来が観測された黄砂。健康への影響を解明する動きが出始めている(撮影・山崎亮)




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