広島市中区の広島平和クリニックが、最先端の放射線治療装置「ノバリスTX」を導入し、がんの治療を始めた。高精度で患部だけに照射できる。周囲の組織を傷めず、副作用が少ない、という。
寝台に乗った患者の周りをアーム状の装置が動き、複数の方向からエックス線を照射する。がんの位置や形状、大きさを選ばないのが利点。患者も痛みや熱さを感じない。
治療は1回約30分間。複数回にわたって治療する。脳腫瘍(しゅよう)、肺や肝臓のがんなどは保険が適用される。
すでに普及している放射線治療装置のガンマナイフが使えるがんは、大きさ3センチ以内に限られている。球形にしか照射できないため、複雑な形状のがんの場合は、周囲にダメージを与えるケースもある、という。
広島平和クリニックは10月、院内に高精度がん放射線治療センターを開き、ノバリスTXを6億円かけて導入した。年間300人の治療を見込む。
この装置は、米国とドイツの医療機器メーカーが共同開発し、両国を中心に約60病院で使われている。国内では初の導入。本年度中に岐阜大病院など3施設でも稼働が始まる。
広川裕院長(57)は「がんはこれまで大きかった患者への負担を抑えて、患部だけを治療することが大きな課題となっている。高精度の機器を使った治療への患者ニーズは高い」と導入の目的を説明している。(衣川圭)
【写真説明】新たに導入された高精度の放射線治療装置
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