中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

新型インフル対策で思わぬ効果? 食中毒が例年より半減 '09/11/24

 ▽広島は6割減、手洗い徹底で予防か

 猛威を振るう新型インフルエンザへの対策強化が、思わぬ効果を生んでいる。全国の食中毒の発生件数が今年は10月末時点で、昨年までの過去5年間の平均と比べて半分以下に減少したことが、厚生労働省のまとめで分かった。広島県内でも6割減。関係者は、手洗いやうがいが食品を扱う業者や家庭で徹底された影響では、とみている。

 総菜製造販売の神保(広島市西区)では、新型インフルエンザの流行を受け、従業員に従来の製造ラインへ入る際の手洗いに加え、家庭での手洗いやうがいを徹底させた。家族が体調を崩した場合の報告を義務付け、事務所入り口には来客用の消毒液も配備した。

 同社商品部の有田秀子グループリーダーは「従業員にインフルエンザがまん延すると仕事が回らない。健康管理は例年以上に注意させており、一層の衛生管理の徹底につながっている」と話す。

 厚生労働省の全国まとめでは、今年1〜10月の食中毒発生件数(速報値)は537件。過去5年の同期間は1079〜1415件で、今年はこの間の平均(1234件)より56・5%減っている。

 広島県内でも、1〜10月の発生件数137件は過去5年間の平均(336件)の59・3%減。特に、新型インフルエンザの国内感染が確認された5月以降は、67・8%減と顕著である。県食品衛生室の仲本典正室長は「これまでにない減り方。飲食業者や家庭で手洗いやアルコール消毒が広がった影響は大きいかもしれない」と驚く。

 厚生労働省食品安全部は「データ分析はしておらず、因果関係は不明」としながらも、「手洗いは食中毒予防の基本。インフルエンザ対策としての意識の高まりが、減少の一因になった可能性はある」としている。(永山啓一)

 ■食中毒 厚生労働省の2008年のまとめでは総発生件数1369件のうち、生肉などに多いカンピロバクターやサルモネラなどの細菌が57%。唾液(だえき)や嘔吐(おうと)物などが付着した手などを介した感染が多いノロウイルス(小型球形ウイルス)が22%、キノコやフグなどの自然毒が11%を占めた。細菌やウイルス性の食中毒の予防には、調理や飲食前の手洗いや十分な加熱が必要とされている。

【写真説明】インフルエンザ対策も兼ね、衛生管理のための手洗いを徹底する総菜製造ラインの従業員(広島市西区の神保)




MenuTopBackNextLast
安全安心