▽川本で108人の臨床研究
青魚などに含まれる油脂のドコサヘキサエン酸(DHA)に物忘れや認知症の予防に効果がみられることを、島根大医学部の橋本道男准教授のグループが国内初の100人規模の臨床研究で実証した。
島根県川本町の認知症でない高齢者108人が協力。2班に分け、A班にイワシ1匹相当のDHAを含む魚肉ソーセージ、B班に多く含まれていないソーセージを毎日2本食べてもらう実験を、2008年11月から1年間続けた。
図形を記憶して模写するテストや、指をルールで決めた回数たたくテストで、A班は実験開始から半年、1年の検査で点数が右肩上がりに改善。B班は、いずれも実験前の点数を下回った。
開始1年後の血液検査でも、A班は赤血球膜中のDHA濃度(単位・モル%)が9・0から10・1に上昇。B班は逆に8・9から8・7に減った。
橋本准教授はDHAが脳の神経細胞を再生させることを動物実験で確認済みで、今回の実験で「人体でも、短期記憶をつかさどる海馬が加齢により機能低下するのをDHAが抑えた」と考察する。
欧米では、DHAのサプリメント(補助栄養剤)を摂取し続ける数百人規模の臨床試験で軽度認知症の改善に効果がなかった、との報告もある。橋本准教授は「食品とサプリメントで、腸管での吸収に違いがある可能性もある。食事を通じた摂取が効果的と考えられる」と話している。(馬場洋太)
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