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トヨタ自動車バッシングが収まらない。リコール(無料の回収・修理)で副社長が陳謝した直後に看板のハイブリッド車プリウスでも不具合情報。米国では販売台数が急減、不信感が世界中で渦巻く。日本企業を象徴する信頼のブランドが大きく揺らぐ。
▽TV行脚
「責任ある対応をとるまでに、残念なことに多大な努力が必要だった」―。トヨタの米国での販売台数が落ち込みシェアを大きく下げたことが発表された2日、ラフード米運輸長官は声明を発表しこれまでのトヨタの態度を厳しく批判。職員を日本に派遣して早期に具体策を取るよう迫った内幕まで明らかにした。
テレビ番組を行脚、釈明に追われた米販売子会社のジム・レンツ社長は「全力で取り組んでいる」と強調したがキャスターから、死亡につながりかねない深刻な問題と詰め寄られ、言葉に詰まった。
故障が少なく高い燃費性能で米国のドライバーに称賛されたトヨタ。米国法人幹部は「期待を裏切ったと受け止められたのだろう」と肩を落とす。稲葉良〓北米トヨタ社長は10日、議会下院の公聴会に出席する。「アクセルペダルが戻りにくい問題は10年間続いている。死亡者の数は異常に多い」と主張するミシガン州選出のスタパック下院議員らが待ち構える。
▽反日的書き込み
世界最大の市場となった中国でもトヨタは約7万5千台をリコールする。各紙は特集記事を掲載し経済紙の第一財経日報は「あらゆる方法でコストを削減し国際競争力を高めてきた日本企業だが、気付かないうちに製造業全体の質を下げてしまった」と、シェア拡大路線によるつけの大きさを指摘した。
インターネット上には「早く閻魔さまに会いたいですか。では日本製品をお買いください。棺おけに入る感覚を体験したいですか。では日本車をお買いください」といった反日的な書き込みも出てきた。
「販売台数が多い車種で問題が起こったのは痛い。なんとか現状を維持したい」―。深刻な表情を浮かべたのはトヨタ欧州法人幹部。各国で補助金打ち切りが相次ぎ値引き合戦が激化している欧州市場。トヨタは昨年目標としたシェア6%を達成できず今年は目標の公表さえ見送っている。
▽危機感
「既に第4段階だ」―。豊田章男社長は昨年10月に都内で講演した際、米国の著名な経営学者が5段階で表した大企業の経営危機の度合いを引き合いに出し、2番目に深刻な「必死に救済をつかもうとしている」状況に当てはまると説明した。創業家から就いた豊田社長の「壮絶な危機感の表明」(関係者)と受け止められ、当時は各国のライバルの間に衝撃が走った。
だが、それ以降相次いだリコール問題で豊田社長が自身の言葉で説明したことはない。騒動が大きくなった1月末にはスイスに飛び世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席。2日に本社であったこの問題についての初めての記者会見も佐々木真一副社長に任せた。
そこに飛び込んできたのが、再生を託すプリウスで報告されたブレーキ不具合についての苦情だ。日本総合研究所・創発戦略センターの宮内洋宜研究員は、長期的には競争力を高める経験になる可能性もあるとしながらも「ブレーキ部分を含めたコントロール制御はコア技術であり、トヨタにとっては競争力の源泉。(米国のアクセルなど)パーツの問題よりは深刻」と指摘している。(共同、美濃口正、早川真、渡辺和昭)
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