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'12/1/14

「疲れた」逃走の果て 脱走の李容疑者逮捕



 殺人未遂罪などで広島刑務所(広島市中区)に服役中だった中国籍の李国林容疑者(40)の脱走事件。住民への二次被害が懸念された逃走劇は13日、発生から丸2日を経て、一人のけが人も出さずに解決をみた。

 「不安を抱いて生活されていた県民のみなさんに安心していただけることに対し、大きな喜びを感じる」。この日、広島市中区の広島県警本部であった記者会見。捜査指揮を執った戸川泰刑事部長は市民からの情報提供に感謝した。

 事件発生から県警に寄せられた李容疑者に関する110番は100件以上。警察庁がオウム真理教関連事件以来、16年ぶりに特別手配にした脱走犯はしかし、11日に白昼堂々と刑務所の塀を乗り越え、2日間にわたり市中心部の住宅街で潜伏を続けていた。

 李容疑者は2005年5月、岡山市内で職務質問した警察官に拳銃を発砲。逮捕後にも警察官の隙を見て警察車両を奪って逃走するなどした「危険人物」だった。中国人窃盗団の主犯格だったこともあり、ある捜査関係者は「民家に潜んでいた容疑者が、住人に見つかって居直るという最悪の事態を心配していた」と明かす。

 県警は、李容疑者が公共交通機関を使って逃げることも想定し、約800人態勢で県内全域の捜索を開始。現場付近の聞き込みや防犯カメラの解析に加え、顔写真や脱走時に履いていたものと同種の運動靴などを公開していたが、発生当初は有力な目撃情報が得られなかった。

 急展開をみせたのは13日未明。空き巣被害に遭った西区南観音の民家で、現場に残された缶ビールから採取されたDNA型が李容疑者と一致。その後も、李容疑者による犯行の疑いがある車上荒らしなどが、観音地区で相次いで発覚した。

 県警は李容疑者が観音地区周辺に潜伏している可能性が高いとみて500人以上の捜査員を大量投入。同地区が河川に挟まれたデルタ地帯にあるため、対岸を結ぶ橋には捜査員を配置し、李容疑者の封じ込めを図った。

 同日午後4時半、刑務所から北へ約2キロ離れた西区天満町。下校中の児童の警戒を続けていた私服警察官3人が、ニット帽にマスク姿の不審な男を発見した。職務質問すると、男は李国林と素直に名乗った。「刑務所に帰る。疲れた。食べていない」。所持金は10円。衰弱した様子だったという。

【写真説明】捜査員や報道陣で騒然とした李容疑者の逮捕現場(13日午後5時10分、広島市西区天満町)

【写真説明】李容疑者が逮捕された交差点付近(手前中央)。奥左は広島刑務所がある吉島地区(13日午後5時10分)




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