島根県邑南町は、矢上高の生徒確保に向け、町の事業として寮を増築する方針を固めた。県立高校の寮を市町村が建てる例は「県内では聞いたことがない」(県教委)という。新しい寮には補習指導もできる「寺子屋」的な自習スペースを設け、学力向上も図りたい考えだ。
メーンの明渓寮(定員72人)の西側にある県所有の遊休地を町が無償で借り、同寮と一体的に使える施設を建てる計画。居室や80人収容の食堂、風呂などを設ける。町は学習支援・交流施設と位置付け、自習室に地域の教員OBらを招くなどの活用策を模索する。
同高は3学級維持に向けて浜田市旭町や美郷町など広域から生徒を勧誘したところ、2年前から男子の入寮希望者が明渓寮の定員をオーバー。元教職員宿舎を改装した第2寮を作ってしのいでいるが、舎監の教員が多く必要になるなどの不都合も出ている。
明渓寮の食堂や風呂が狭いこともあって増築を望む同高や町に対し、県は財政難や将来的な統廃合の可能性などから消極的なため、町が「高校存続に向けた先行投資」(石橋良二町長)として自前での整備を決断した。費用は、1億円前後と想定。来春の完成を目指す。
【写真説明】邑南町が増築の方針を決めた矢上高の明渓寮。県所有の空き地(手前)への建設を計画している
|