子どもの視点 世界にも
センス光るキャッチコピー
今年も「みんなの新聞コンクール」の審査をさせていただき、はや五年目。毎年思うことだが、年々応募総数が増えていくのには驚かされる。昨年が五千六十六、そして今年が八千百八、第一回が千三百二十八だから、その増加率たるや語らずとも伝わるだろう。応募数が増えると、当然のことながら作品のバラエティーさも増加する。今回も、楽しい作品、考えさせられる内容、デザイン的に優れた仕上がりなど、多くの個性に触れさせていただいた。
中でも圧巻だったのが、小学生たちの視野の広さ。水や生き物をテーマに環境問題を検証したり、日本と中国はもっと仲良くすべきだと言及したり、天気や宇宙飛行の観点から地球を眺めたり、さらには被爆六十年にあたって自分たちのできることを考えたりと、自由にしかし確実に大きな視点で世の中を見つめ、考えている。今や、子どもたちの思考もグローバル化してきたんだなとしみじみ感じ入った。
もちろん、見せ方の工夫も個性にあふれている。グラフやイラストで分かりやすく構成したり、折り紙で生き物を切り抜いたり、エコマークを配置したり、矢印で項目を結ぶなど、プロのデザイナーもうなるに違いない。
さて、私が編集者として感心したのはキャッチコピーのうまさである。動物や自然の記事を集めて「あなたを癒し隊」、現在問題になっているアスベストを取り上げて「静かなる時限爆弾」、お父さんたちの活躍を星印とともに紹介した「輝く親父」、折り紙の花々を配した「花咲きました」…タイトルだけで引き付けられる作品群に、審査の点数も拮抗(きっこう)して、最後には挙手なんていう厳しい場面を余儀なくされることも。良い作品が多いと審査員もつらいのだ。つらいと言えば、新聞感想文で誤字・脱字を見つけるのもつらい。せっかく素晴らしい起承転結でまとめられた文章も、誤字で減点しなければならないこともある。文章を書いた後に再度チェックしてもらえると一編集者としてはうれしい。
何はともあれ、来年は応募数が一万の大台に乗るかもしれないと期待しつつ、今年の審査を終えたのである。
■審査員の皆さん
審査委員長=小原友行さん(広島大学大学院教育学研究科教授・広島県NIE推進協議会会長)▽大森富士子さん(出版社・編集プロダクション「ガリバープロダクツ」取締役編集長)▽高井孝則さん(柳井市立柳井西中学校長・山口県NIE推進協議会会長)▽横山直江さん(魔女の自然教室「草樹庵」主宰・元小学校教師)▽吉長成恭さん(広島国際大学大学院総合人間科学研究科教授・中国新聞広告賞審査委員長)▽今中亘(中国新聞社代表取締役社長)
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