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新聞感想文 最優秀賞  誇るべき命、守るべき未来
庄原市・比和中3年 加藤 正樹君(14)

人と牛 ともに歩む道を

 僕はこの記事をみたときに、すごくひきつけられました。僕の家では、四頭の牛を飼っています。親牛が二頭いて、生まれた子牛を約一年育てて市に出しています。牛を飼っている駄屋は母屋とつながっていて、牛は僕の家では家族の一員です。
 子牛が生まれる時は、家族みんなの一大事で、みんなが駄屋に集まります。そして、子牛が生まれるとみんなで喜び、みんなで新しい名前を考え、僕も普段はあまり駄屋には行かないけど、子牛が生まれると、ちょくちょく見に行っています。
 そして、子牛を市に出すときは何度あっても毎回さみしくなります。自分たちで名前をつけ、ことあるごとに家族全員で一喜一憂してきた家族の一員がいなくなるのは、いつまで経(た)っても慣れないつらいものがあります。
 特に子牛を出す時、一番つらいのは、家族で一番牛の世話をしていて、一番可愛(かわい)がっている祖母だと思います。祖母はいつも牛に話しかけながら世話をしていて、祖母にとって子牛は子供も一緒なんだと思います。一度牛に網がからまって、すごく弱ってしまったことがありました。そのとき
「もっと早く気付いちゃりゃあ良かった。」
と駄屋ですごく泣いていました。牛は助かったけど、あの時の祖母の姿は今も忘れられません。
 僕の祖母が、家族が牛を家族の一員としてとても大切に思っているように、福島の方もとても牛のことを大切にしていらっしゃると思います。だから、福島の方が、家族である牛を残して避難しなければならなかったのがどれだけ歯がゆかったことかと思うと、すごく切ない気持ちになります。
 その上、残してきてしまった「家族」を、殺処分されるなんて、たえられることではないと思います。牛を助けてほしいと願うのは当たり前だと思います。
 僕は、牛はどう思っているのかとこの記事を見て考えました。今までいつもそばに居て世話をしてくれた人が、たまに、話しかけてくれた人が、自分たちを残して突然いなくなってしまう。牛は地震があったことはわかるけど、原発のことや、今、自分がどんな危険にさらされているか、どうして人は突然いなくなってしまったのか、わからないことだらけだと思います。とてつもない不安だと思います。小屋から出られず、えさをもらえていない牛もいると思います。
 そんなことを考えていると、殺処分なんて絶対にしてほしくないと思います。
 記事にあるように、殺処分せずに、研究の目的で飼育を続けるのも、一つの道だと思います。
 でも、研究目的だと、全ての牛が救われるわけでもなく、牛にとって、研究のために飼育されるのは、今まで通り幸せだと思えません。
 僕は、どんな動物も、どんな命も、一つ一つ大切にしなければならないと思います。今回の震災で、被害を受けたのは、人だけではありません。人命が最優先ではあるけど、人以外にも、救わなくてはいけない命があると思います。
 人間と牛、動物たちがともに歩んでゆける幸せな道がきっとあると、僕は信じています。

■「家族」失うつらさ

 原発事故で放射線の警戒区域に残された牛と、その飼い主のことを思って書きました。
 家で普段一緒にいる牛は、僕にとって家族です。学校での作文もいつも牛と、牛を育てる祖母の話を書いています。今回は警戒区域での牛の不安な気持ち、飼い主のつらさを伝えたかったです。
 将来は僕も祖母と一緒に牛を育てるつもりです。受賞で、その気持ちが強まりました。