中国新聞


ジンギスカンって太らない?
広島市内じわり人気

■ヘルシーでも「過信は禁物」

 「肥満を防げる」「ヘルシー」と首都圏でブームに火の付いた、羊の焼き肉料理「ジンギスカン」。広島市内でも専門店がお目見えしたり、スーパーが羊肉のコーナーを新設したり。流行に乗る舞台が整いつつあるようだ。でも、しょせん肉は肉。ダイエット効果は本物か、専門家にも聞いてみた。(野崎建一郎)

専門店相次ぎオープン
独特の鉄鍋で、ジンギスカンを楽しむ会社員たち(広島市中区の専門店)

 ジュー。かぶとに似た鉄製「ジンギスカン鍋」を囲み、サラリーマンや若い女性が肉厚のラムとタマネギを焼く。今年三月、広島都心の中区袋町に開店したジンギスカン専門店「子羊ちゃん」。しゃぶしゃぶ店から一新した。週末の夜は一時間―一時間半待ちの行列となる。

「臭みない」好評

 同僚と初めて訪れた会社員宮本昌文さん(24)=中区=は「思ったより臭みがなく、脂身が少ない。牛肉よりたくさん食べられる」と満足そう。同店マネジャーの久津間隆公さん(41)は「珍しさから訪れるお客さんが多く、リピーターも増えてきた」と手応えを感じている。

 ラムは生後一年以内の子羊の肉。それ以上、成長した羊肉はマトンと呼ばれる。「子羊ちゃん」から約六百メートル離れた中区堀川町には三月、マトンを使ったジンギスカン専門店「ひつじ家」がオープンした。前はバイキング料理の店だった。「東京での人気が本物と踏んで、方向転換。広島にもきっと、波がくるはず」と期待を寄せる。

スーパーにも登場
ラムの販売コーナーを新設した広島市中区のスーパー。調理法の説明書きも添えている

 広島県内にスーパー十四店舗を展開するスパーク(西区)は、やはり三月、店頭にほとんど置いていなかったラムの販売コーナーを全店に新設した。広島市内にスーパー六店舗を持つ広電ストア(中区)も四月から、不定期だがラムを置き始めた。

 ジンギスカン鍋の売れ行きも好調。中区の台所用品店「中村屋」では、「年間二、三個くらい」だった売れ行きが四月から月間二、三個に増えた。問い合わせは、ほぼ毎日あるという。

栄養のバランス

 「やせる!」「太らない」―。ジンギスカン専門店もスーパーも、宣伝文句にダイエット効果を強調する。首都圏でのブームの背景も、女性に受ける「減量に効果的」のイメージがあるようだ。

 県立広島大人間文化学部(南区)の加藤秀夫教授(58)=スポーツ栄養学=によると、脂肪を燃えやすくする栄養素カルニチンがマトンには多く、鶏肉の二十倍強、牛肉の三倍強の含有量という。「肥満になりにくく、疲労を防ぐ効果は確かに認められる。ただ、それは適度な運動や仕事などのエネルギー消費があってのこと。食べてじっとしていて減量できる、という都合のいい話じゃない」と強調する。

 羊肉は、貧血を防ぐ鉄分も豊富。タマネギやニラなども併せて食べるジンギスカンは、栄養のバランスがいい。加藤教授は「いずれにしろ、過信は禁物。いろんな食物をバランスよく取ることが大切」と勧めている。

2005.5.26


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