中国新聞サンフレ情報
神戸に痛恨のドロー'02/11/9



広  島 1 1―1 1 神  戸
3勝2分   0―0   5勝1分
け7敗    延 長   け6敗 
(10)    0―0   (15) 
0―0       

●…広島は攻撃が空回りし、神戸と痛い引き分け。J1残留に向 けさらに状況は厳しくなった。

先制したのは広島。前半開始直後、服部のクロスのこぼれ球を駒 野がゴール左隅に決めた。その後は神戸のプレッシャーに押され、 引き気味に。カウンターでDFラインの裏を狙ったが、逆に41分に PKで追いつかれた。

後半はロングボールをゴール前に入れ、チャンスを狙った。しか し、引き分け狙いでゴール前を固める神戸DF陣を最後まで崩せな かった。(小西晶)

▽ラストパス 壮絶なラスト見せてくれ

映画「俺たちに明日はない」の主人公・ボニーとクライドは実に 87発の弾丸を撃ち込まれ命を落としたが、広島はたった一発の「P K弾」によって、明日を失った。勝たねばならなかった。可能性は 残っているが、「奇跡」という言葉すらもう遠くかすむ。寒い夕暮 れである。

「点を取る」。これしか求めるものなどなかったはずである。し かし、思いは伝わってこなかった。先制後、2点目を狙うどころか 相手のプレッシャーに負け、引いてしまった。同点になってから も、練習してきた4トップを試みることもなく時間だけがすぎた。 「勝ち点1を失いたくなかった」。木村監督の言葉は衝撃的だっ た。

思い返せば、この戦いは今季を象徴していた。「相手を圧倒す る」はずが、どこかで守りの保険をかけた。失点しないで得点す る。高い理想である。しかし、これほど点の取れない状況で、「リ スク管理」することにどれだけの意味があったのか。シジクレイが 撃ち抜いたのは、ゴールネットではなく、そんな見せかけの攻撃性 である。

「明日がある」とはいえない状況になった。残り3節。仮に散り ゆく運命なら、せめて語り継がれるほどの熱く壮絶なラストを見せ てはくれないか。それが、声援を送り続けるサポーターへの唯一の 恩返しとなる。(小西晶)

▽あと1点奪えぬいつもの展開

今季、何度も目にした展開だった。どうしても1点を奪いたい場 面で攻め急ぎ、パスはつながらず、ゴールが遠ざかる。ここまで延 長にもつれた9試合で勝利はわずか1試合。この日の引き分けも、 今の広島が抱える苦しみを表していた。

試合が進むほど攻撃陣の動き出しは鈍った。その結果、最終ライ ンからのロングパスに反応した3トップが相手DFに囲まれなが ら、「無理を承知」で勝負するしかなかった。「特に終盤はパスの 出しどころがなくなった」と森崎和。引き分け狙いで、守りを固め る神戸の思惑に完全にはまっていた。

試合前日、選手は口をそろえた。「ボールはうちが支配できる 」。神戸の戦力とカウンター主体の戦術。さらに、中断期間の充実 した調整を自信にして臨んだはずの「決戦」だった。「練習ででき ていることがうまくいかない。理由は分からない」。大木がイレブ ンの思いを代弁した。

次節の鹿島戦(16日・カシマ)は森崎和、ビロングが累積警告で 出場停止。「一丸となるしかない」。上村は開き直りの表情でそう 言った。「J1残留」が限りなく遠のいた今、選手に立ち上がる力 はまだ残っているのだろうか。(五反田)

【写真説明】前半41分、神戸のシジクレイ(5)にPKを左隅へ決められ、1―1の同点とされる。GK下田、(8)は森崎和


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