広 島 1 1―1 1 神 戸
3勝2分 0―0 5勝1分
け7敗 延 長 け6敗
(10) 0―0 (15)
0―0
●…広島は攻撃が空回りし、神戸と痛い引き分け。J1残留に向
けさらに状況は厳しくなった。
先制したのは広島。前半開始直後、服部のクロスのこぼれ球を駒
野がゴール左隅に決めた。その後は神戸のプレッシャーに押され、
引き気味に。カウンターでDFラインの裏を狙ったが、逆に41分に
PKで追いつかれた。
後半はロングボールをゴール前に入れ、チャンスを狙った。しか
し、引き分け狙いでゴール前を固める神戸DF陣を最後まで崩せな
かった。(小西晶)
▽ラストパス 壮絶なラスト見せてくれ
映画「俺たちに明日はない」の主人公・ボニーとクライドは実に
87発の弾丸を撃ち込まれ命を落としたが、広島はたった一発の「P
K弾」によって、明日を失った。勝たねばならなかった。可能性は
残っているが、「奇跡」という言葉すらもう遠くかすむ。寒い夕暮
れである。
「点を取る」。これしか求めるものなどなかったはずである。し
かし、思いは伝わってこなかった。先制後、2点目を狙うどころか
相手のプレッシャーに負け、引いてしまった。同点になってから
も、練習してきた4トップを試みることもなく時間だけがすぎた。
「勝ち点1を失いたくなかった」。木村監督の言葉は衝撃的だっ
た。
思い返せば、この戦いは今季を象徴していた。「相手を圧倒す
る」はずが、どこかで守りの保険をかけた。失点しないで得点す
る。高い理想である。しかし、これほど点の取れない状況で、「リ
スク管理」することにどれだけの意味があったのか。シジクレイが
撃ち抜いたのは、ゴールネットではなく、そんな見せかけの攻撃性
である。
「明日がある」とはいえない状況になった。残り3節。仮に散り
ゆく運命なら、せめて語り継がれるほどの熱く壮絶なラストを見せ
てはくれないか。それが、声援を送り続けるサポーターへの唯一の
恩返しとなる。(小西晶)
▽あと1点奪えぬいつもの展開
今季、何度も目にした展開だった。どうしても1点を奪いたい場
面で攻め急ぎ、パスはつながらず、ゴールが遠ざかる。ここまで延
長にもつれた9試合で勝利はわずか1試合。この日の引き分けも、
今の広島が抱える苦しみを表していた。
試合が進むほど攻撃陣の動き出しは鈍った。その結果、最終ライ
ンからのロングパスに反応した3トップが相手DFに囲まれなが
ら、「無理を承知」で勝負するしかなかった。「特に終盤はパスの
出しどころがなくなった」と森崎和。引き分け狙いで、守りを固め
る神戸の思惑に完全にはまっていた。
試合前日、選手は口をそろえた。「ボールはうちが支配できる
」。神戸の戦力とカウンター主体の戦術。さらに、中断期間の充実
した調整を自信にして臨んだはずの「決戦」だった。「練習ででき
ていることがうまくいかない。理由は分からない」。大木がイレブ
ンの思いを代弁した。
次節の鹿島戦(16日・カシマ)は森崎和、ビロングが累積警告で
出場停止。「一丸となるしかない」。上村は開き直りの表情でそう
言った。「J1残留」が限りなく遠のいた今、選手に立ち上がる力
はまだ残っているのだろうか。(五反田)
【写真説明】前半41分、神戸のシジクレイ(5)にPKを左隅へ決められ、1―1の同点とされる。GK下田、(8)は森崎和
   
|