札 幌 5 1―1 4 広 島
3勝1分 3―3 5勝2分
け11敗 延 長 け8敗
(9) 1―0 (16)
●…広島は得点差をつけての勝利を目指し、攻撃的に臨んだが、
守備が崩壊して延長Vゴール負けを喫した。
プレッシャーから動きの硬さが目立った広島は、前半8分に先制
を許す苦しい展開。42分に森崎浩のゴールで同点に追いつき、後半
は攻撃的なシステムに変更し、相手ゴールを脅かした。
後半2分に久保、8分茂木が立て続けにゴールを決め、リードを
広げたが、その後は札幌のカウンター攻撃の前に失点の連続。42分
に上村のヘディングシュートで勝ち越したものの、直後に曽田に決
められ、万事休す。降格が決まった延長前半9分、曽田のVゴール
で力尽きた。(小西晶)
▽ラストパス 屈辱糧にはい上がれ
10年間、刻んできた「J1の時」が、止まった。奇跡は起きなか
った。柏、神戸がともにリードしている状況で、選べるゲームプラ
ンは、点を奪いにいくことしかなかった。4―5。これが精いっぱ
いの抵抗だったろう。わずか1カ月の反攻で運命を変えられるほ
ど、甘くはなかった。
今季の負の流れは、突然とも言える昨年のヴァレリー監督退団か
ら始まった。上村の長期離脱、ガジエフ前監督の辞任、主力選手の
不調…。7連敗など、勝つ味を忘れたチームは、次第に負けること
を恐れ始めた。相手の戦術やシステムで、戦い方を変え、戦術の一
貫性を欠くようになった。こんな「受け身」の姿勢が、最悪の結末
への流れを助長したといえる。
しかし、これは今年1年の戦いで生まれたわけではない。94年の
第1ステージ優勝以降、優勝争いにも、降格争いにも絡むことがな
かった。そんな安住のシーズンの繰り返しで、いつしかチームの体
質から、「優勝するんだ」という情熱と、厳しさが消えていった。
「うちは落ちる戦力ではない」という危機感のなさ。「あとはき
っかけだけ」という甘い見通し。この降格は事故や災害ではない。
そんなぬるま湯体質が、チームに金属疲労を引き起こしたのであ
る。
これから1年、J1の舞台から、広島は姿を消す。ただ、サポー
ターは、これが終わりではなく、新たに針を動かす始まりであるこ
とを信じている。この逆流の中で、この屈辱にまみれながら、もう
1度はい上がってこい。もう1度時を動かすことができるのは、こ
のピッチで泣いた選手、あなた方だけなのである。(小西晶)
▽最後の粘り「未来へ」
終戦を告げる札幌・曽田のVゴールがネットを揺らした。J1降
格が決まり、ピッチにへたり込む広島の選手たち。林、森崎浩、八
田…。「みんな顔を上げよう」。立ち上がれない若手に声をかけ、
気丈に振る舞う上村。ベテラン桑原は頭を抱え、元気者の藤本はぼ
う然と立ち尽くす。必死の抵抗も報われなかったイレブンの顔に
は、絶望と疲労の色がにじんだ。
延長に入った時点で、多くの選手は「降格」を知っていた。望み
はついえても、気力を振り絞ってこぼれ球に走り込み、ゴールを狙
った。来季につなげるために、勝利を追った残酷な9分間。「勝ち
たいと思った。それが僕らの役割だから」。服部は唇をかんだ。
残留を争い、リーグ終盤は負けられない試合が続いた。のしかか
る重圧の中で、最後の4試合は2勝1分け1敗。粘りは選手の意地
であり、財産だった。「この戦いを来年に持っていかなければ…
」。沢田は目の奥に涙をためた。
試合後、大勢の報道陣に囲まれた上村。来季を見据えるように、
まっすぐに前を向いて言い切った。「これが1年間の結果。しっか
りと受け止めなければならない」。再びJ1へ戻ってくるために、
この日の屈辱を忘れることはできない。(五反田)
▽育ての親「申し訳ない」 今西総監督退団濃厚か
Jリーグ創設10年目で初のJ2降格。今西総監督は強化部門の最
高責任者として、その瞬間を見届けた。「サポーターの期待に添え
ず、ただ申し訳ない」。広島の「育ての親」だけに動揺は隠せず、
言葉を絞り出しながら何度も目をしばたたかせた。
屈辱の降格を「チームづくりの遅れ」と総括した。昨年末にヴァ
レリー監督が退団し、今季はガジエフ監督を登用。「攻撃型からバ
ランス型へ。コンセプトが、選手にうまく伝わらなかった」
1962年に東洋工業(現マツダ)入りし、DFとして日本リー
グ4連覇に貢献。2部に落ちた84年に監督を引き受けた。組織プレ
ー重視の欧州型サッカーを志し、Jリーグ参加や94年第1ステージ
優勝を支えてきた。
自らの進退は「球団幹部と相談してから」と明言を避けたもの
の、退団が濃厚。「日本協会役員の仕事などで、チームとのかかわ
りがやや薄くなった時期があった。もっとしっかり見られていれば
…」と悔やんだ。
10月26日の清水戦に敗れ、自力残留が消えた後に2勝1分け。最
終戦に望みをつないだだけに「方向性は間違ってないし、選手も残
ってくれると信じている。1年で(J1に)上がらないといけな
い」。40年にわたって広島の栄光も屈辱も見つめてきた目が、最後
に力を帯びた。 (加納)
試勝分敗勝得失 得
合 け ち 失
数数数数点点点 差
1磐 田 151302353313 20
2G大阪 151005272413 11
3鹿 島 15906262521 4
4東京V 15825242619 7
5F東京 15807222019 1
6横浜M 15816221616 0
7京 都 15807221824−6
8浦 和 15816212014 6
9 柏 15636211817 1
10神 戸 15627192122−1
11市 原 15609181619−3
12清 水 15609171624−8
13名古屋 15519162123−2
14広 島 15528161821−3
15仙 台 154110121730−13
16札 幌 15311191529−14
【写真説明】上=後半8分、茂木(右)がループシュートを決め、3―1とする。GK佐藤洋 下=試合後の会見を終えた上村(左端)
   
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