広 島 0 0―0 0 京 都
(J1) 0―0 (J2)
(1勝1分けで京都がJ1昇格)
サッカーのJリーグ1部(J1)と2部(J2)の入れ替え戦第2戦が八日、広島市安佐南区の広島ビッグアーチであり、J1・16位のサンフレッチェ広島はJ2・3位の京都サンガFCに0―0で引き分け、2試合通算で1分け1敗となり、J2降格が決まった。広島は二〇〇二年シーズンで初のJ2降格。〇三年はJ2の2位となりJ1に復帰したものの、再びJ2へ転落することになった。京都は一季でのJ1復帰。
J1を8勝8分け18敗(勝ち点32)の16位で終えた広島は、J2の3位との入れ替え戦に回った。第1戦(五日)に1―2と痛恨の敗戦。地元であった第2戦は、前半から圧倒的に攻め込んだ。柏木陽介選手(19)や駒野友一選手(26)の両MFらが好機をつくりながら、京都の分厚い守備に、はね返された。
広島は前身の東洋工業時代に日本リーグ五回、天皇杯三回の優勝を誇り、Jリーグでも一九九四年の第1ステージで優勝した伝統チーム。九三年のJリーグ創設から参加する10チームの中では、初めて二度目の降格となった。(広重久美子)
▽サンフレ猛攻及ばす 「目の前の昇格劇 こんな屈辱はない」
じりじりと時間が過ぎていく。広島は怒とうの攻撃を繰り返した。後半ロスタイム、DF槙野のオーバーヘッドキックはポストに当たり、ゴールラインを割った。無情のホイッスル。芝にひっくり返り天を仰ぐイレブン。槙野が、右足負傷でピッチにも立てなかったMF青山が、顔を覆って、号泣した。
身がちぎれるほどに走り、体を投げだした。「絶対に点を許さない」「勝つんだ」。今季で最も、気持ちがあふれ出た試合だっただろう。しかし、ゴールネットは一度も揺らせなかった。
「1年を通して、きょうのような試合をしていれば…。もっと前(の時期)から選手同士で言い合って、改善していたら…」。MF柏木は「たら、れば」と続けた。2度の5連敗で16位。そんな状況になっても、ピッチがこんなに広いのかと感じるほど、躍動感は失われたままだった。
FW佐藤は言った。「目の前で昇格を見せつけられて降格する。こんな屈辱はない。広島を1年で昇格させる。サッカー選手として、男として、サポーターに流させた涙へ、やるべきことは、それしかない」。あおむけになって見えた光景を、決して忘れはしない。(広重久美子)
▽1年で復帰、紫魂の誓い 監督「最大の敗戦」
「広島は落ちるべきチームではなかった」。J2降格という結果に、よほどショックを受けたのだろう。会見場に姿を見せたペトロビッチ監督の顔は青ざめていた。「私の32年間のサッカー人生で、最も大きな敗戦だった」とうなだれた。
DF盛田を先発起用。森崎和を中盤に配置するなど、新たな手は奏功した。「京都ではいい戦いができなかったが、今日は前半から相手を上回った。だが、ゴールを決められず残念だった」。後半も何度も決定機をつくりながらもゴールを最後まで奪えず。「サッカーというものは、時として残酷なものだ」。歓喜の京都イレブンを前に立ちつくした。
昨年6月に監督に就任し、一貫して攻撃的なサッカーを志向してきた。若手も育ち、選手からの信望も厚い。「監督として素晴らしい時間を過ごしてきた。私にとって素晴らしいチームだった。責任は監督の私にある」。選手、サポーター、クラブに対して、何度も「申し訳ない」という言葉を口にした。
続投決定については「コメントは差し控えたい」と語るにとどまった。J2といういばらの道。監督は腹を決めた。(小西晶)
▽ピンポイント 強い気持ちで戦え
2003年2月に担当になった。J2だった。元に戻ってしまった。みんな年を取り、球団の累積赤字も数億円増えた。でも、「サンフレは終わりではない」と久保社長は、これまで以上の資金調達を約束した。6季で2度も落ちたら正直、気持ちが折れそうだが、もう一度だけ信じようと思う。
結果は引き分け。1点が取れなかった。だが、追い込まれた状況で選手は必死に戦い抜いた。今季最多の約2万3000人のサポーターの声援に応える試合をしてくれた。
同時に、どうしてもっと前に見せてくれなかったのかとも思う。残留争いのカギだった9月の甲府戦、10月の大宮戦。そして5日の入れ替え戦第1戦…。戦力、能力の高さを消したのは、精神的な甘さではなかったか。
シーズン当初、誰が降格すると思っただろうか。「失点しても、より多く点を取ればいい」との楽観はなかったか。今季はフル代表、年代別代表で多くの選手が抜かれた。「だから仕方ない」とどこかで言い訳をしていなかったか。小さなほころびは、大きな大きな傷となった。
J2も戦力差が縮まり、03年と比べ昇格は容易ではない。それだけに、球団、スタッフ、選手、サポーター、みんなの覚悟がいる。強い気持ちを持って戦うしかない。(佐藤正明)
【写真説明】<上>J2への降格が決まり、ピッチ上でぼうぜんとたたずむ広島イレブン(撮影・高橋洋史) <中>前半10分、ゴール前のクロスに佐藤(手前)が飛び込むが、タイミングが合わず得点ならず <下>【広島−京都】押し込みながら無得点で前半を終え、うつむきながら引き揚げるペトロビッチ監督(撮影・高橋洋史)
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