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サッカーJ2の首位を独走するサンフレッチェ広島への応援熱が
高まっている。昨秋の降格で衝撃を受けた広島県内外のサポーター
が「一年でJ1復帰」という唯一の目標に結束を固めた。二十四日
には、関東発の応援バスも初めて出る。地域は本当に地元プロ球団
の支えになれるか―。開幕からの二カ月を振り返った。(山瀬隆
弘)
関東発の「バス」も 観客動員はいまひとつ
「サーンフレッチェ」「グランデ・ヴィオーラ(偉大な紫)、ヒ
ーロシーマ」。広島ビッグアーチ(広島市安佐南区)で十七日にあ
ったサガン鳥栖戦。紫色のユニホームのサポーター約百五十人が、
太鼓に合わせ声を張り上げた。リズムはスタジアム全体約八千人の
手拍子となり、サンフレの逆転勝利を後押しした。
サポーターたちの定位置は「ビーロク」と呼ばれる。ゴール裏観
客席のB6ゲート。四団体が集まる。約三十人が集うウルサスメン
バーの小売店経営三戸寛光さん(28)=南区=は「応援する気持ちは
一緒でも、やり方が違った」と一年前を振り返る。
●転落で共闘
残留争いを演じるまで、四団体は、ブーイングのタイミングなど
の違いから、B6ゲートの上下で別々に応援していた。それが「J
2転落」で吹き飛んだ。開幕前に話し合い、「ビーロクが一丸にな
り、観客の応援を引き出そう」と「共闘」を決めた。
バッドボーイズで掛け声を担当する二十歳代のメンバーは「観客
のユニホーム姿が増えた。スタジアムの雰囲気が観戦から応援に変
わってきた」と、波及効果を実感する。
関東も盛り上がっている。呉市出身で横浜市に住む会社員森岡伸
之さん(30)は「サンフレが、広島県人が集まるキーワードになりつ
つある」と興奮気味に話す。
昨年まで、友人を誘っても「どうせ負ける」「カープなら…」と
断られた。今季は「一度は行っておこう」との返事が多いという。
「トップリーグに広島の名がないのは、やはり寂しい。郷土の誇り
の一つだと、みんなが感じ始めた」
ばらばらだったサポーターたちも、インターネットやスポーツカ
フェなどで交流を始めた。二十四日に山形県であるモンテディオ山
形戦には、二十六人を乗せる応援バスが東京駅から出る。
十年来のサポーターで、バスツアーを企画した、旅行会社勤務の
佐久間潔さん(46)は「こんなに集まってくれるとは。みんなの思い
の強さを再確認できた」と喜ぶ。
●昨年下回る
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ホームゲームの1試合平均の観客数 (人)
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| 2002年 | サンフレッチェ(J1) | 10941 |
| 2003年 | サンフレッチェ(J2) | 7325 |
| 2003年 | アルビレックス(J2) | 16780 |
| 2003年は5月18日まで |
球団も手応えを感じている。ホームゲームの年間パスは、昨年の
二倍近い二千三百枚が売れた。入場料を二千三百円から五百円に下
げた高校生の姿も増えた。真鍋茂広報部長は「サポーターの顔と名
前を一致させるのが大変」と目尻を下げる。
ただ、応援の「質」の高まりに比べ、観客数はJ1で下位に沈ん
だ昨年をも大きく下回る。地元の旅行会社が県北など四コースで出
す応援バスも応募不足で十九便中五便が中止に追い込まれた。
同じJ2でも、アルビレックス新潟(新潟市)のホームゲームに
は、サンフレの二倍の観客が訪れ、J2では観客動員数が最も多
い。大型連休の五日には、四万二千人が詰め掛けた。
●特効薬なし
アルビレックスも、J2参加直後の一九九九年は四千人程度に低
迷していた。球団広報は、大型スタジアムの建設、国際試合の開催
などを挙げたうえで、「スタジアム周辺の交通誘導やサッカー少年
の招待など、あらゆる地道な取り組みがようやく実り始めた」。特
効薬はないと主張する。
今季開幕前、広島の経済人やスポーツ関係者は「サンフレは地域
の宝物。チームを後押しするのは地域の熱気」と声をそろえた。
「地域に根ざしたチーム」への道は始まったばかり。ゴールはJ1
復帰の、その先にありそうだ。
【写真説明】一つにまとまってサンフレを応援する「ビーロク」のサポーターたち(17日、広島ビッグアーチ)
   
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