2001/2/8
◇熱血プレーにこだわり◇ 優しさにふれた。包み込んでくれる温かさも、肌で感じた。「このチームを選んだ一番の理由です。森保さん、上村さん、藤本さん…。みんな優しかった」。自分自身を無理に演出する必要はなかった。
昨年六月、練習生としてチームの門をたたいた。「練習生だし、朝鮮人だし、相手にされないと思っていた」。実際はまるで違った。「駄目なプレーをしてしまうと、しかってくれる。良ければ褒めてくれた」。疑問に思ったことを聞けば、全部教えてもらえた。優しさと厳しさの同居する環境に心が躍った。 努力、精神、闘争心をミックスし、「己を磨く」という熱血漢。気持ちを前面に出し、見ている側に伝えられるようなプレーが好きだ。「今の時代には合わないかもしれないけど、古臭い言葉が好きなんです。それに背負っているものが、他のみんなとは違う」と言い切る。「僕には朝鮮の人たちの期待があるんです」 全国に十二ある朝鮮学校からJリーグへのストレート入団は、初めてだった。反響は想像を超え、全国各地から手紙が届き、街を歩けば、見ず知らずの人から激励の声も掛けられた。すべてが初体験の中、「かなえられなかった夢を君に託す」という文脈に、奮い立つ自分がいた。 いがぐり頭の風ぼうと同じように、自己主張はかたくなだ。「努力すれば最後に笑える」「絶対に負けたくない」「どんな手を使ってでも勝つ」。強烈な自尊心を支えにしてきた生きざまに、後押しされる喜びが芽生えた。 入団した今、周囲の期待を、あえて「過度なプレッシャー」として受け止めている。きっかけは、目標とする森保の言葉だった。「プレッシャーは持つことが大切だ、と教えてもらいました。今が出発点です」。民族の誇りと声援される喜びを幾重にもまとい、元来の熱い気持ちが燃え上がっている。
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