通らぬ「ちょっとなら」 駐車監視員制度
'06/6/1

 きょうから駐車違反の取り締まりが厳しくなる。改正道交法が施行され、民間委託の駐車監視員などの新制度が始まるからだ。事故防止と渋滞解消に結びつけたい。

 監視員は、違反が常態化している重点エリアで活動する。中国地方では広島、福山、呉、下関、岡山、松江、鳥取の七市の中心部などが守備区域だ。

 違反の確認方法が大きく変わる。携帯端末で証拠写真を撮影し、ナンバーなどを入力して警察に報告。標章(ステッカー)を張った時点で違反が成立する。この間、五分から十分。これまでのようにチョークで印を付けた後に一定時間の猶予を置くことはしない。

 民間に委託すると、件数主義に陥るとの懸念がある。実際に支障が出ている場所を最重点にするべきだ。警察はこうした方針を打ち出し、指導する責務がある。

 監視員の守備区域以外は警察官や交通巡視員が取り締まる。警察庁は、どこであろうと原則として猶予時間は置かないという。「ちょっとの間なら」という甘えを捨て、意識改革が必要だろう。

 今回の法改正は、違法駐車の深刻化が背景になっている。他の車の進路を妨害したり、見通しを損ねたりして、年間八千五百件の人身事故を誘発している。交通渋滞も引き起こす。警察内部や有識者から「治安状況が悪化し、違法駐車の取り締まりに投入できる警察力には限界がある」との声も強まっていた。警察庁は「駐車秩序の確立と警察力の合理的な再配分を目指す」と説明する。

 その成果は節目節目に公表してほしい。防犯活動や犯罪捜査に要員をどれだけ振り向けることができたのかも、きちんと検証したい。情報公開なくして、取り締まり強化への国民の理解は深まらない。委託先が警察OBの安易な天下り先にならないようにチェックも欠かせない。

 新制度のもう一つの柱は、車の持ち主に放置責任を問う点だ。運転者が反則金を払わない場合は、車検証上の使用者に反則金と同額の放置違反金を求める。納めないと、車検が受けられない。摘発の三割にも達する「逃げ得」封じ策だが、実態に即して、しゃくし定規でない運用を心がけてほしい。

 広島県ではきょうから道交法施行細則も改正され、自転車の片手運転に罰則が科せられる。悪質ケースに限るべきだが、それ以前にみんなで自覚を高め、安全・安心な街づくりにつなげたい。




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