随意契約見直し 透明さ保つ姿勢あるか
'06/6/14

 入札をしない公共工事の随意契約は「天下り」の温床になる。官製談合で問題になった中央省庁と企業の癒着と構図は同じだ。

 政府がきのう、省庁など国の機関と公益法人などが結ぶ随意契約を見直し、二〇〇七年度までに競争入札にする適正化の方針を決めた。不透明な実態をただすのは当然の自浄作業といえよう。

 見直しの裏には、不適切な契約があまりに多すぎる実情があった。政府自らが、それを認めたことにほかならない。

 各省庁などの調査結果では、〇五年度に国の二十三機関と公益、独立行政法人などが結んだ随意契約の計二兆千七百四十三億円のうち、競争入札などを本来実施するべきケースが一兆四千五百八十四億円あった。金額全体の67%にも上る。広島県の本年度一般会計予算の一・五倍にもなる額である。

 各省庁が所管する公益法人でみると、随意契約の93%が入札をするべき内容だった、という。

 問題は、なぜこうした実態がはびこったかだ。会計法では公共工事は一般競争入札が原則で、入札せずに受注先を決める随意契約は例外である。それが、特殊技術の確実さなどを理由に拡大適用され、許容されてきたのだろう。

 しかし随意契約も省庁OBが天下る法人などに恣意(しい)的に発注される懸念が強い。野党が厳しく追及したのも、それが競争のない税金のむだ遣いにつながっているためだ。旧日本道路公団や防衛施設庁の官製談合でも、天下りポスト数などに応じて受注配分されていたが、官と企業や法人が保身と利益を甘受する体質は同じに見える。

 政府の見直しでは、随意契約は発注先が限定されるケースに絞ることや、例外で契約を続ける場合も詳しい理由をホームページで公開する指針を決めた。ただ、全体からみれば厳正に運用する原則に立ち返るだけだ。適正な点検もせず原則を外れていた「なれ合い」を排除できるかが問われる。

 省庁によっては、一般競争入札になると採算無視の低価格落札などが増え、事業レベルが下がる点の心配も持つ。一定に業者の技量をそろえた総合評価方式などが議論になった経緯もある。だが、それも手加減されると不正につながりかねない。要はいかに透明性を保つ姿勢があるかどうかだ。

 行政改革推進法が今国会で成立した。単に経費削減だけでなく、運用の在り方についても絶えず厳密な問い直しが不可欠だ。




MenuTopBack