地方自治体が多額の借金返済にあえいでいる。中国地方は特に深刻だ。財政健全度の新しい指標として国が導入した「実質公債費比率」は、五県の四十九市町村が、地方債発行の際に県の許可(政令市は国)が必要となる18%を超えた。全市町村の実に43%に上る。
実質公債費比率は、簡単に言えば、収入に対する借金返済額の割合。18%以上は全国で八政令市と四百六市町村だった。その一割以上が中国地方に集中していることになる。東北や四国と同様に、景気回復が遅れ、企業からの税収が少ない地域事情を反映した形だ。
四十九市町村は、何としても借金の増加に歯止めをかける必要がある。繰り上げ償還や職員数と人件費の見直しなど、それぞれの実情にふさわしい対策を急いでもらいたい。放置すれば、行政サービスを低下せざるを得なくなる。すべての事業を再検討し、緊急でないものは思い切って打ち切る勇気も要る。
住民に対して、借金まみれの実態を洗いざらい説明し、財政運営計画を示す義務もある。しわ寄せを受けるのは住民であることを忘れてはならない。
住民ととことん話し合って危機感を共有した上で、下水道使用料や固定資産税の引き上げに踏み切った自治体もある。実質公債費比率が22・4%で鳥取県内一厳しかった日野町。災害などやむを得ない場合を除き、起債事業はしないことも決めた。簡単な土木工事は職員や住民がボランティアで行う。町民と一緒に破たんの芽を摘む取り組みとして参考にしたい。
自治体が借金まみれになったのは、バブル崩壊後、景気浮揚策として国が公共事業を増やしたのが最大の理由だ。自治体も地方債を大量に発行し、身の丈以上の財政運営を続けてきた。その結果、都道府県を含めた地方全体の借金残高は二百四兆円に膨らみ、十五年前の三倍になった。
国・地方の三位一体改革によって、交付税が大幅に削減され、厳しい財政に追い打ちをかけている。六月には、北海道夕張市が財政再建団体への移行を表明した。総務省が破たん自治体の再建法制の検討を始めたのも深刻さの表れだろう。
国は地方への税源と権限の本格移譲を急ぐべきだ。自治確立には安定した財政運営が欠かせない。自治体側も借金苦からの脱却を自立のチャンスととらえ、大いに競い合ってほしい。
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