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国土交通省中国地方整備局など国の出先機関と広島、山口両県、広島市でつくる広島湾再生推進会議は本年度中に行動計画を策定する。行政が連携して広島湾の環境改善に乗り出すのは一歩前進だが留意したい点がいくつかある。
埋め立て、岩国沖のアマモ場・干潟、母なる太田川の三つの課題にどう向き合うか問われよう。
広島湾には戦後、西部開発や海田湾など大規模埋め立てが相次いだ。戦時中と最近の地図を比べて水深十メートル以浅の海の消失を試算した研究データを基にすると、広島市民球場の広さの約千二百倍が陸地になった。その結果、海の浄化能力が劣化し魚介類も減った。
湾再生に向け藻場・干潟の保全と造成、海域環境モニタリングの拡充、太田川流域の環境保全の促進などが考えられている。だが埋め立てが止まらないようだと、それらの試みも相殺されてしまう。
推進会議と湾岸すべての自治体は、小規模埋め立てについても一定期間控える意思統一を図る必要がある。浅場をつぶす一方で人工の藻場や干潟をつくるのでは「環境」に名を借りた税金の無駄遣いとの批判が出ても仕方なかろう。
湾内の藻場の保全・再生で見落としてならないのは岩国沖の動向だ。湾で唯一、広いアマモ場が残っていたが米海兵隊岩国基地の滑走路沖合移設に伴う埋め立てで多大な影響を受ける。消失する藻場・干潟約八十三ヘクタールの穴埋めとして広島防衛施設局は藻場十六ヘクタール、干潟十一ヘクタールの復元を計画している。
その取っ付きとして、南側のくぼ地になっている二ヘクタールの海底を埋め戻す造成工事を本年度中にも始める。湾全体のアマモの将来にとっても重要な事業だ。防衛施設局に任せるだけでいいのだろうか。推進会議としてなにができるのか、協議していく時である。
広島湾にとって太田川は命綱。ところが中国電力が上流域に水力発電所、ダムを多数持ってその水を「高度利用」している。下流へ注ぐ水は量、質ともに制約を受けていると言われて久しい。
広島市は推進会議への提言を取りまとめるために太田川再生プロジェクト検討委員会を設置している。十一月の会合に中電を招いて水力発電所について意見交換をした。明日十九日の会合では、ダムのデータ説明があるという。
中電が太田川、さらに湾再生へ自らの役割を見いだすことができるように、推進会議としてオブザーバー参加を呼び掛けていい。
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