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安倍晋三首相の経済財政諮問会議での一声が、官僚の天下りによる官製談合などの弊害を一掃するのか。自民党内からの反発や官僚の抵抗を、一任された渡辺喜美行政改革担当相が無事、はねのけていけるのか。今後の国家公務員法改正案の行方を注目したい。
安倍首相は十六日の同会議で「各省によるあっせんはなくし、新人材バンクに一元化することが必要」と主張し、異論や慎重論のある中、渡辺担当相が出してきた改正案の方向でまとめ、今国会に提出するよう指示した。小泉純一郎前首相のように同会議を使ったリーダーシップの発揮が、果たしてうまくいくのか。
渡辺氏の案は(1)中央省庁の天下りあっせんは一定の期間後、禁止し「新人材バンク」に移行(2)官僚の求職活動などを禁止する「行為規制」を導入(3)専門スタッフ職制を導入し退職年齢を引き上げる(4)労働基本権の付与―などを挙げている。
それに対して、自民党が考えているのは、新人材バンクに各省庁の人事担当者を入れて連携を図る、といった省庁の関与を残す方向であり、省庁の関与を完全に否定している渡辺氏と大きな隔たりがある。天下り後などの不正監視についても、外部監視機構を主張し、移行時期も安倍首相の任期内の「二年後」にこだわる渡辺氏に対し、自民党側は否定的であり慎重である。さらに渡辺氏のやり方を「強引だ」と批判する閣僚や幹部もいるなど、今後の推移は不透明だ。それだけに首相のリーダーシップが問われることになろう。天下り規制でも成果を挙げ政権浮揚につなげたい官邸にとって、もろ刃の剣になる恐れは十分ある。
天下りの弊害は大昔から指摘され、さまざまな改革が行われた。なのに、天下り先確保のための官製談合が明らかになったり、公益法人に天下りしたOBが、談合に大きな役割を果たしていた事件がいまも起きている。
今回の渡辺氏による十省庁のヒアリング調査でも、公益法人などに天下ったOBが、さらに別の法人に再々就職する「渡り」についても、あっせんしていることを、六省庁が認めたという。
その度に高額の退職金を受け取るのである。民間では考えられない優遇ぶりだ。しかも、それが不祥事の温床になっている。渡辺案の方向でも、そうした弊害がなくなる保証はない。法案の中身についてもしっかり見極めたい。
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