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巨大で複雑なコンピューターシステムほどダウンしたとき、被害は全体にまで拡大する。全日空のシステム障害は、そのことをあらためて示した。原因の究明はもちろん、再発防止に向けた仕組みづくりが急務になる。
障害の影響はきのうも一部に残った。二十七日は、中国地方では広島空港で羽田との往復計六便が欠航するなど五空港で十二便が運航を休止。国内全体では百三十便が欠航、三百便以上に遅れが出て約六万九千人が影響を受けた。
空港で長時間待たされ、スケジュールの変更を余儀なくされた乗客らに、十分な状況説明がされなかったのは残念だ。全日空はなぜこういう事態を招いたか、利用者に明らかにする責任がある。
障害が起きたのは国内線の予約や発券、搭乗手続き、手荷物などを管理するシステム。ホストコンピューターと各空港にある端末とを結ぶネットワーク部分の異常が原因の可能性が強い。三日前までに更新した接続系三台に不具合が生じ、動かなくなったようだ。
それが大規模な欠航や遅延につながったのは、予約などのシステムが運航管理のシステムに直結しているためだ。予約や発券状況は運航計画を決める上での基本データになっている。その提供などが遅くなったのと、空港の窓口で担当者が手作業で対応するのに時間がかかり、運航ダイヤが乱れた。
全日空は二〇〇三年三月にも、システム障害で羽田空港での搭乗手続きなどができなくなり、百五十五便が欠航した。ネットワークシステムのソフトを変更する際、その設定ミスなどが原因だった。
トラブルはソフトの更新や移行時などに起きやすいという。全日空は「原因の解明には時間がかかる」としているが、四年前と同様な事態の可能性がないとはいえない。教訓が生かされなかったという疑問も捨てきれない。
全日空など航空会社では、コンピューターシステムが一日に千便もの運航を可能にしている。巨大化、高度化するほど、影響は大きくなる。それだけ危機管理に留意しなくてはならないはずだ。トラブルを想定したバックアップシステムの整備も欠かせない。
一〇年には羽田空港に四本目の滑走路ができ、発着回数が大きく増える。システムのさらなる肥大化につながるはずだ。安定運用のため航空各社などは管理する人をはじめ、ソフト、ハード両面の準備を怠ってはならない。
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