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高校野球 準優勝の広陵 胸を張れ '07/8/23

 広陵の三度目の挑戦も、あと一歩及ばなかった。きのうの高校野球決勝。誰もがほぼ手中に収めたと思った夏の甲子園大会初優勝を逃した。それでも、伝統校らしい堂々とした試合で、応援した私たちも元気をもらった。胸を張って広島に帰ってきてほしい。

 先制、中押しと、佐賀県代表の佐賀北を相手に、広陵のペースで試合は進んでいた。連投の野村祐輔投手も七回までヒット一本に抑える危なげないピッチング。それが、八回裏に暗転した。

 初めて連打を浴び、連続四球、そしてまさかの逆転満塁ホームラン。あっという間の出来事だった。テレビで見ていながら、現実に起きたことだとは、なかなか信じられなかった。

 勝利が間近だっただけに、中井哲之監督やナインも信じられず、悔しさもひとしおだったはずだ。

 それでも、準優勝した広陵ナインが伝統に一層の重みを加えたことは間違いない。血のにじむような練習を重ねてきたのだろう。これまでの努力をたたえたい。

 野球部員はもちろん、猛暑で体調を崩した中井監督もゆっくり体を休め、英気を養ってほしい。

 劇的な決勝戦で幕を閉じた今大会は、特待生問題の渦中で繰り広げられた。野球を対象にして、入学金や授業料などの金銭提供を受ける制度を、日本学生野球憲章が禁じている問題だ。

 日本高野連の調査で憲章違反と申告したのは、私立を中心に三百七十六校に上る。決勝に勝ち進んだ広陵、佐賀北とも違反申告校ではなかったが、出場四十九校のうち申告校は半数の二十五校。問題の根深さがうかがえる。

 球児たちの夏は終わった。今度は大人の出番だ。特待生問題の解決が何より急がれる。基準があいまいな点や、他のスポーツ競技は制度を認めていることなどが混乱を招いている。来年度入学予定者には事実上、特待制度が容認される。しかし、二〇〇九年度以降の対応は決まっていない。

 高野連は、スポーツや教育、法曹界など幅広い分野のメンバーを集めて有識者会議を先月設置。会合を三回重ねている。十月初めまでには提言をまとめるという。

 球児が安心して野球に打ち込める環境を整えるのは、大人の役目だ。特待生の人数を限って過熱を防ぐなど、分かりやすく実効性のある基準作りに知恵を出し合う必要がある。熱戦を繰り広げた選手たちに報いることでもある。




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