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「ホリエモン」と呼ばれ、メディアへの露出を繰り返してのし上がった“時代の寵児(ちょうじ)”に、再び厳しい断が下った。
証券取引法違反罪に問われたライブドア元社長の堀江貴文被告(35)に対し、東京高裁は懲役二年六月の一審実刑判決を支持、控訴を棄却した。法の「抜け道」を探り、利益追求を優先するかのような企業の在り方に、強い警鐘を鳴らしたといえる。
公判では一審と同じく(1)投資事業組合(ファンド)を通じた自社株売却の売り上げ計上は違法か(2)堀江被告はライブドア元取締役宮内亮治被告(40)ら元側近と共謀したか―が主な争点となった。
長岡哲次裁判長は、会計処理に介在させたファンドを一審と同じく脱法目的と認定。「実態の不透明なファンドを作り、監査法人や公認会計士も巻き込んだ巧妙で悪質な犯行。投資者に深刻な悪影響を及ぼした」と述べた。
また、宮内被告らの供述は信用性が高いとし、社内での電子メールの内容などから堀江被告の指示・了承がなければ犯行の実行はありえない、と共謀を認定した。
堀江被告は一、二審とも無罪を主張した。だが一審で捜査を批判していたのに対し、二審では「株式市場に対する不信を招き、悔やんでも悔やみきれない」などと反省をつづった上申書を提出。戦略を大きく変えたが、裁判長は「犯行への反省はうかがわれない」と厳しかった。
従来の粉飾決算事件では、大半のケースが「損失の隠ぺい」が目的だった。今回の場合は、「成長を仮装する」タイプの粉飾である。弁護側は、「一千億円を超える過去の粉飾決算事件では有罪でも執行猶予が付いていることと比べて、実刑は重すぎる」と訴えていた。「成長仮装型」では額が小さくても刑を重くすべきだという根拠が不明確、という専門家からの指摘もある。
ライブドア事件は、粉飾金額が高額でなくても多数の株主に損害を被らせた。一、二審とも「企業価値を過大に見せて投資家を欺き、利益のみを追求した」と指摘する。いわばマネーゲームの一環でなされた点を重視している。市場での投資家を欺く不正行為に厳しく臨む司法の姿勢をあらためて示したといえよう。
この事件を契機に、粉飾決算などの罰則が強化された。市場での不正行為に対する監視態勢は厳しくなっている。投資家が市場で判断するのは、企業側が正確な情報を公開しているのが前提である。投資家を欺く脱法行為は、企業にとって命取りになると肝に銘じてもらいたい。
堀江被告はかつて、プロ野球参入やフジテレビとのニッポン放送株争奪戦を仕掛け、衆院選広島6区から立候補するなど、さまざまな話題を提供してきた。ところが出頭義務のない控訴審には混乱回避を理由に一度も姿を見せず、判決の日も出廷しなかった。ホリエモンらしい歯に衣(きぬ)着せぬ肉声が聞けなかったのが残念だ。
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