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20年目のエソール広島 男女共同参画どう深化 '08/8/25

 まだ女性が働くことの是非が議論された時代があった。「女性の地位向上と社会への参画を進めたい」。広島県内の女性団体が力を合わせ、一九八九年春に県女性総合センター「エソール広島」を広島市中区に誕生させる原動力になった。それから足かけ二十年、時代の変化に応じた対応も迫られている。

 県が建設し、財団法人県女性会議が運営する公設民営の施設。ゆかりの女性アーティストの絵画や陶芸作品が並ぶ館内では、講演会、悩み事の相談、在宅ワークのあっせんなど多彩な事業がある。中でも成果を挙げてきたのが、女性を政策・方針決定の場に送るという目標を掲げた女性大学だ。

 法律、経済、政治の仕組みやネットワークづくりなど幅広い内容を一年がかりで学ぶ。これまで約八百人が論文を仕上げて修了した。市、町議として活動している修了生が十三人、県や市町の審議会委員は五十人余り。社会福祉協議会などの委員として活躍している人も多い。

 エソール広島を生んだのは、女性の力だ。約五十の団体が建設運動を起こし、財団法人設立のために募金活動まで行った。

 ただ、最近は当初の熱気が薄らいでいるのも事実だ。女性をめぐる状況が、ここ二十年の間に大きく変わった。雇用機会均等法などの施行や改正で、制度的な差別はなくなった。今の五、六十歳代がけん引してきた女性団体の活動も、なかなか若い世代が加わらず、全国的に低迷気味だ。

 こうした中、財政状況の厳しさも相まって、大阪府のように女性センターへの補助金打ち切りを議論する自治体も出ている。エソールでも県の補助金はここ五年で一千万円余り減り、本年度は約四千四百万円になった。

 県内では、パートなどをのぞく労働者の給与が女性は男性の七割弱しかない。県内の自治体の女性議員は増えてきたとはいえ、一割に満たない。制度面にとどまらず、実の伴った社会進出を実現するために、より幅広く男女共同参画を進める必要がある。

 最近、エソールが力を入れているのが男性向けの催しだ。介護講座や編み物講座など、性別による固定的な役割分担の意識を見直したり、ライフスタイルを変えていったりするような内容だ。

 女性大学も二年前から男性に門戸を開き、「エソール大学」と改称した。女性の登用へつなげる上級講座は残しながら、共同参画の視点で活動できる人材を育てる基礎・応用講座を設けた。夫婦で受講するケースもある。幅広い意見に触れ、視野が広がったという意見が男性側に多い。

 制度的な平等を当たり前として受け止めている若い世代を呼び込む工夫も欠かせない。ベテラン世代との交流の場づくりや、子育てに一段落ついた女性の再就職支援など知恵を絞る必要がある。

 男性や若い世代に働きかけを強めるなど、男女共同参画をさらに深化させる一歩へつなげたい。




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